少し時間が経っていますが、横から失礼します。
Mutama さんが使っておられる電子メールについての全体的な運用条件がよくわからないため、さしあたって同じ POP サーバに Outlook と Thunderbird の 2 つで交互にアクセスしてメールを受信している条件だと解釈し、その前提で気になる点を書かせていただきます。
Mutama さんが書きました:
どのような原因が考えられますか。
いまある情報と上述の前提から考えられる範囲では、サーバにあるメールデータをクライアントへダウンロード(受信)はできているが、クライアント側の迷惑メールフィルタの誤判定で [迷惑メール] に紛れ込んでしまい、見失ったか消去してしまった可能性も考えられるのではないでしょうか。
ぼくの周囲でたまに起こることですが、(送られてくるはずのメールが)「来ない」「受信できない」と相談されるときがあります。調べてみて、[迷惑メール] フォルダに紛れ込んでいたというケースを何度か経験しています(すべてではありませんが)。
中には、誤判定を考慮せず迷惑メールと判定されたものを直ちに自動消去するようにしていて、大きなダメージを受けた人もいました。
Mutama さんが書きました:
今年に入って2通、受信されなかったメールがあった。そのメールはOutlookでは受信されていた。
メールクライアントである Outlook と Thunderbird で実行される迷惑メールフィルタが同じものではなく、学習の度合いも異なるなら、同一のメッセージに対して判定結果が異なる(どちらかで誤判定が起こる)可能性は考えられます。
Mutama さんが書きました:
受信されなかったメールと同じ所から来たメールが、その後は受信できているから迷惑メールなどで削除されたのではないことは明らかである。
どのような迷惑メール対策を施されているか不明なので具体的なところまでは言及できませんが、[迷惑メールフィルタ] の一般論としていえば、おっしゃっている理屈は「明らか」ではないと思います。
おそらく、「同じ所から来たメール」というのは "同じ差出人(From アドレス)" からのメールという意味で、それが迷惑メールと判定されたりされなかったりすることはありえない、というご判断なのだろうと推察されます。
しかしながら、Thunderbird など多くのメールシステムで迷惑メールフィルタとして採用されているベイジアンフィルタは、差出人情報だけでなくメールに含まれる複数の要素から一定の理論に基づく計算をして確率的に判定結果を出しています。
この方法は、パターンマッチ式の方法に比べて条件設定が簡単で、未知のメールに対しても実用的なレベルで機能するなど有利な点が多いわけですが、半面、同じ差出人(From アドレス)からのメールであっても、差出人以外の要素に [迷惑メール] としての判定確率を上げるものが(偶然であっても)多数含まれていたりすると、状況によっては「迷惑メール」として誤判定されてしまうことがあるという弱点を持っています【注】。
こうしたことが起こりうることを体験する簡単な方法は、[迷惑メール] と判定された本物の迷惑メールを、いくつか自分宛に「転送」してみることです。(間違っても「返信」は絶対にしないください。)
迷惑メールのデータ内容を含んだ転送メールの差出人(From アドレス)は自分のメールアドレスになりますが、本文その他に迷惑メールフィルタの学習内容と一致する要素が多数含まれていることで、受信時に [迷惑メール] として判定・処理されてしまうことがあります。
必ずそうなるわけではなく、実際の判定結果はこれまでの学習内容や他に組み合わせている迷惑メール対策にも依存するため、迷惑メールと判定されないケースもありますが、差出人が同じ自分のメールアドレスであっても [迷惑メール] と判定されるケースが出てくるのも事実です。
重要なことは、正当なメールが「迷惑メール」と誤判定された場合に、その訂正学習を怠っていると、同じ状況下で再び誤判定が起こる可能性を低減できないということです。つまり、同じ差出人からのメールであっても、しばしば誤判定が起こりうるリスクを温存してしまうことになります。
【注】[アカウント設定] の [<Account Name>] -> [迷惑メール] -> [送信者が以下に含まれる場合は自動的に迷惑マークを付けない] で、チェックが入っているアドレス帳に登録されているメールアドレスが、差出人(=送信者/From)になっているメッセージは、文字通り [迷惑マーク] は付けられません。
この設定を上手に使うことで、差出人アドレスによるホワイトリスト的な動作が可能になり、特定の差出人からのメールが誤判定で [迷惑メール] フォルダなどに紛れ込んだり、削除されることが避けられるはずです。
こうした対策を確実に施しているにも関わらず、ご質問のような問題が起こっているのなら、原因は別のところにあるのかもしれません。
Mutama さんが書きました:
というのは、最近の受信されなかったメールは、調べたら、まだサーバーには残っていたからです。もちろん他のたくさんのメールは受信されましたし、サーバーにも14日間(設定)は残っています。
[ダウンロード後もサーバにメッセージを残す] の設定にしているなら、本当は正常に受信(メールデータをダウンロード)てきているが [迷惑メール] フォルダに紛れ込んでユーザーが見失ってしまったメッセージ(ユーザーの認識としては「受信されなかった」メッセージとなる)であっても、サーバには残ります。
「受信されなかった」の具体的な挙動が、
(x)クライアント側にメールデータをダウンロードすること自体が阻害されているのか
(y)ダウンロードはされているがその後の自動処理で見失ったか削除した可能性はないのか
―― そのあたりの切り分けをキッチリしないと、本当の原因は見極められないと思います。
以上は一般的な理屈(そしてぼくが経験したことのある事例)ですから、本件の真の原因とは違うかもしれません。
「迷惑メールの誤判定」だと決め付けるつもりはありませんが、ご提示の文面を拝見する限りでは、その可能性を頭から否定してしまうこともできません。
迷惑メールがらみでなく、サーバからメッセージを受信できないケースとしては、kiki さんが紹介されているとおりです。同じ差出人からのメールであっても、途中の経由サーバの一時的な障害などで、あるときだけデータの一部が破損するようなことがないとはいえませんから...。
しかし、そうすると Outlook で受信できたという事実と矛盾する可能性も生じますから、同じメールサーバから受信しているならこの線は薄いようにも思います。
他にも考えられる要因はあるかもしれませんが、いまある情報ではなんとも申し上げられません。
Mutama さんが書きました:
バグならフィックスして欲しい。
上述したような運用上の不備がいっさいなく、Thunderbird 本体の不具合に起因することが明らかになれば、バグフィックスされる展望は拓けると思います。
そのためには、より具体的に問題点を調べ、適切にバグ報告しなければなりません。
以上、可能性のひとつとして挙げさせていただきました。的外れな話だったらすみません。