1週間前に「
Thunderbird 115.10.2 がリリースされた」のニュース記事が投稿されましたように、現在
Thunderbird公式サイト(日本語版)からダウンロードされるビルドは115.10.2となっています。
しかし、現時点では自動更新はおろかヘルプでのバージョンチェックによる115.10.1→115.10.2への更新も提供されていません。
一方、
FTPサイトには、米国時間4月24日付けで125.0が登場しています。
これはどういうことでしょうか。
Thunderbird Planningグループに投稿された2つのトピックを見てみましょう。
①
Monthly Releases UpdateAndrei Hajdukewycz 氏によれば、
今後はFirefoxと同様にbeta版に続けて毎月releaseチャンネルのビルドが作られるようになったようで、125.0はその最初の試みとのことです。
一般ユーザーをreleaseチャンネルからesrチャンネルへ移動させてreleaseチャンネルを開放しようとしており、125.0は内部的なリリース管理とインフラ整備のためのビルドで、
一般ユーザーの利用は推奨しないとのことです。
Rob Lemley 氏によれば、
115.10.2は自動更新の更新チャンネルがesrに変更された以外、機能的に115.10.1と同じとのことです。
115系とその後継の128系はesrチャンネルで更新されることになります。
115.10.2をユーザーが上書きインストールすれば更新チャンネルはesrに変更されるというのはわかります。
しかし現在の115.10.1はreleaseチャンネルですから、自動更新が提供されるとするならまずesrチャンネルの強制変更が行われ、その後に通常の更新が動くというステップになるかと思われます。
でもそんな仕組みが提供されるのでしょうか。
仮にそうだとして、マルチプロセス化の時のように機能を無効化しているユーザーはいるでしょうから、トラブルが生じるような気がします。
公式からの正式なアナウンスが必要だと思いますが、今のところ見当たりませんね。
②
[tb-planning] Monthly Releases Update - 125.0 being interpreted as "production"Wayne Mery 氏が、
知らず知らずのうちに125.0(または126.0)を使ってるユーザーがいないか bugzilla やサポートサイトで注意するよう警鐘を鳴らしています。
125.0は製品版では無いのに製品版であるかのように思われてしまっていると。
また、デスクトップメンテナンス/管理ソフトは自動的に高いバージョンを見つけてくるだろうし、Linuxディストリビューションやソフトウェア配布サイトなども製品版と見なしてしまっている事例があるようです。
勇み足なのか混乱していると言えます。
製品版ではないのでリリースノートが提供されていないのは当然ですが、
Thunderbird Release Notes — Thunderbirdにはなぜか「125.0」の空のエントリだけあります。