Thunderbird 91 では、
Bug 1571672 により、IMAPサーバーから「UTF8=ACCEPT」が返ってきた場合に非アスキー名のフォルダーをUTF-8の名前で処理するようになりました。
Thunderbird 78 までは、日本語設定の Gmail をIMAPアカウントで利用していた場合、
フォルダーの表示名とメッセージ保存先フォルダー内のファイル名は、こんな感じでした。
- 「下書き」→「&Tgtm+DBN-」
- 「送信済みメール」→「&kAFP4W4IMH8w4TD8MOs-」
- 「迷惑メール」→「&j,dg0TDhMPww6w-」
- 「ゴミ箱」→「&MLQw33ux-」
- 「スター付き」→「&MLkwvzD8TtgwTQ-」
- 「チャット」→「&MMEw4zDDMMg-」
- 「重要」→「&kc2JgQ-」
この「&」で始まるアスキー文字の羅列は、修正UTF-7(Modified UTF-7、 x-imap4-modified-utf7)という特殊なテキストエンコーディングで変換されたものです。
Thunderbird 91では、Gmailは「UTF8=ACCEPT」に対応しているので修正UTF-7からUTF-8に変更され、ファイル名もUTF-8にリネームされて直接読めるようになりました。
直接読めるファイル名自体はわかりやすくてよいのですが、明らかに影響範囲の想定不足で、退行バグを生むことになってしまいました。
Bug 1571672 に紐付けられた Thunderbird 91 に影響するバグを以下紹介します。
- Bug 1737514 cannot receive email from IMAP server with UTF8 enabled
- 中国の特定IMAPサーバーのメッセージのフェッチができない。
- このサーバーの応答が期待した形式でないためタイムアウトしていた。
- mail.server.default.allow_utf8_accept を false にすることで回避が可能。
- Bug 1739784 Messages in folders with non-ascii characters can't be restored on restart, possible breakage for add-ons and other issues relating to getUriForMsg
- 非アスキーのURIが混在したためタブの保存/復元が動作しなくなった。拡張機能など他の問題を引き起こす可能性もある。
- APIを修正=>95.0b3
- Bug 1739789 Smart/unified/virtual folders do not keep folder selection properly when a folder contains a non-ascii character
- 非アスキーの名前のフォルダーを対象とする検索フォルダーを作成したり、統合フォルダー表示の対象に含まれると、そのフォルダーの検索結果が表示できない。
- 11/15現在未解決
- 関連トピック:
- Bug 1739814 More potential non-ascii URI breakage from Bug 1571672
- Bug 1571672 により、非アスキーの名前のフォルダーに対して不具合が出る可能があるAPIのリストアップ。
- 11/15現在未解決
- Bug 1739903 After updating to Thunderbird 91, message filters that refer to folders with non-ASCII names in Gmail will need to be manually modified
- 非アスキーの名前のフォルダーを参照するメッセージフィルターのルールを手動で修正する必要がある。
- 11/15現在未解決
- 関連トピック: