メールクライアント「Thunderbird」について
「78」系を使用している既存ユーザーは、
メジャーアップグレード版「91」系への更新を急がないでください!
Thunderbird は、Firefox ESR(Extended Support Release:セキュリティパッチやバグ修正の長期サポートが提供され、新機能の追加は「メジャーアップグレード時に一括適用」される仕様)をプラットフォームにしています。
すでに、メジャーアップグレード版「91」系が公開されていますが、
「78」系最終バージョンは、78.15.x(Release Date:2021-10-05)であり、
2021-11-02 にリリースが予定されている「Thunderbird 91.3」までの期間は、サポートが継続されます。
※ 修正状況によっては「サポート期限が延長」される場合もあります。
「ESR」をプラットフォームにしているため、
メジャーアップグレード時に「新機能」が一括で追加されることになり、
更新前後の相違から、
不具合が生じる可能性が懸念されるため、「自動更新」が留保(ブロック)されています。
任意での「手動更新」は可能ですが、くれぐれも(ブロックが解除されて実施される)自動更新を待機してください。
Firefox の延長サポート版 (ESR)Thunderbirdは、
「Web クライアント」のメールクライアントです。
Web 上に情報を提供するコンピュータやソフトウェアを「Web サーバー」と呼び、
サーバーから情報を受け取り、ユーザーの操作によって表示や処理を行うコンピュータやソフトウェアを「Web クライアント」と呼びます。
Web クライアントのうち、
受信したページの内容を整形して画面に表示し、人間が見るために使用するものを「Web ブラウザ」と呼びます。
「メールクライアント」も Web クライアントのたぐいで、
メッセージ(e-mail)の実体が存在するプロバイダのサーバーから情報を受け取ります(Microsoft を事例にすれば、@outlook.com や @hotmail.com などに存在する実体を読み込んでいるだけです)。
Web クライアント「Thunderbird」は、
エコシステムの観点(セキュリティ対策やメンテナンス性)で、
Web クライアント「Firefox ESR」 をプラットフォームにしています。
「ESR」仕様の目的は、
法人ユーザーなどが最重視する「安定性の確保」であり、安定性を損ないかねない新機能の追加は「原則的に、年に一度のメジャーアップグレード時に限定」されています。
メジャーアップグレード時の予期せぬ不具合やユーザーの反応などを踏まえて、修正を加えるため、既存の「ESR」ユーザーの場合はメジャーアップグレード時の「自動更新」が留保(ブロック措置)されています。
つまり、既存のユーザーは、手動更新を急がずに、「自動更新」を待機すべきです。
About “Firefox 78 ESR”
Future branch dates | wiki.mozilla.orgAt the moment, it is "78.13.0esr", but the final version in the 78 series ESR is Firefox 78.15esr (Release Date: 2021-10-05) is the last security update for the current “ESR 78” series and support will continue until the next major upgrade, “ESR 91” series, 91.3 (Release Date: 2021-11-02).
However, in rare cases, the release date may be postponed.
About Official Framework
Firefox Release Calendar | wiki.mozilla.orgThis schedule is based on the current RapidRelease plan. Future dates may change if the process changes. Code is not always released to users on the same day as the branch migration. The release to users may be a few days later, to allow for manual testing and sign-off. Thunderbird tracks the ESR schedule column per Thunderbird release info.
ESR Landing Process | wiki.mozilla.orgThunderbird の概要について
2004年から 2014年までの(Microsoft、Mozilla、Google、Apple)ブラウザベンダー間の激しいブラウザ戦争の中で、Mozilla の他の製品(SeaMonkey、Thunderbird)は、主力製品である「Firefox」に集中するために再編され、Thunderbird の開発は中止されていました。(SeaMonkey の開発サポートはコミュニティに移管され、Thunderbird はメンテナーを一人残して人員と予算を Firefox に集中させていました)
「Thunderbird」は法人ユーザーが多いため、セキュリティ対策やメンテナンスの観点からアップデートサポートは継続していましたが、開発サポートはバージョン「60.9.1」までで終了していました。
ユーザーの熱望に応えるため、
Mozilla は「メールクライアント専門の新会社を設立」し、
バージョン「68」から開発サポートを再開しました。
Thunderbird についてThunderbird の開発に関する公式ブログThunderbird プロジェクトに関する公式発表以下、主要部分を転載(意訳)
2020 年 1 月 28 日
本日より、Thunderbird プロジェクトは、Mozilla Foundation の新たな完全子会社である MZLA Technologies Corporation で運営されることになりました。
● 今後の運営を確実に成功させるために、数ヶ月にわたる計画を経て、新たな道を歩むことになりました。MZLA Technologies Corporation に移行することで、Thunderbird プロジェクトの柔軟性と俊敏性が向上するだけでなく、Mozilla Foundation の下では実現できなかった製品やサービスをユーザーに提供することを検討することができます。
● Thunderbird の焦点が変わることはありません。私たちは、オープンスタンダード、ユーザーのプライバシー、生産的なコミュニケーションに焦点を当てた、素晴らしいオープンソーステクノロジーの開発に引き続き取り組んでいきます。Thunderbird Council は引き続きプロジェクトを管理し、Thunderbird の開発を指導するチームも変わりません。
● 最終的には、MZLA Technologies Corporation に移行することで、Thunderbird プロジェクトは、より簡単に雇用し、より迅速に行動し、以前は不可能だったアイデアを追求できるようになります。Thunderbird の今後の方向性については、今後数ヶ月のうちにさらに情報を公開する予定です。