Mozilla は、
ウェブブラウザの利用者のプライバシーをさらに向上させるために、
Firefox 75 に「ブラウザで自動的に追跡クッキーに関連付けられたサイトのサイトデータをパージ(一掃)する」機能を統合しました。
(Firefox、Chromium などの)最新のブラウザ には、
トラッキング保護機能が備わるが、その現状は「既知のトラッキングサイト」のブロッキングリストに基づいているため、すべてのサイトベースのトラッキングの試みからは保護が不可能です。
つまり、
リストに載っていないトラッキングサイトはブロックされず、
クッキーを設定されたり、
他の方法でユーザーをトラッキングされたりすることがあります。
とりわけ「ファーストパーティートラッキング」と呼ばれる新たなトラッキング手法では、「CNAME」リダイレクトを悪用することで、組み込み及び拡張機能ベースのブロッカーを無力化(回避)できます。
通常、
サイトのサブドメインがリダイレクトされますが、これは最初のブロッキングの後に起こるため、ブロッキングツールでは阻止できません。
唯一、
Firefox 専用に開発されることになった拡張機能「uBlock Origin 」が
(Chromium では、拡張機能を制御する extensionAPI の制限で「uBlock Origin の最新機能がブロックされる」ため利用不可能です)
このようなリダイレクトのルックアップを実行し、トラッカーや広告サーバーとして識別されたリソースをブロックすることで、このような現象を処理します。
uBlock Origin | addons.mozilla.org
https://addons.mozilla.org/ja/firefox/a ... ck-origin/関連情報:
viewtopic.php?f=23&t=17803Mozilla は、
ブラウザのネイティブ機能でファーストパーティのトラッキングの試みに対応するため、
トラッキングドメインのクッキーや他のサイトデータを自動的に削除する機能を Firefox に統合する予定で、同組織のバグ追跡サイト Bugzilla に「
Bug 1599262 」として、この新しい保護についての情報を公開しています。
Bug 1599262 | Purge site data when site identified via old tracking cookies
https://bugzilla.mozilla.org/show_bug.cgi?id=1599262その要旨:
● サイトが古いトラッキングクッキーを介して識別されたときにサイトデータをパージ(一掃)する。
● トラッキングクッキーを設定したサイトを特定し、30日間サイトとのやりとりがなかった場合はそれらのクッキー(および他のサイトデータ)を削除します。
Firefox 75 バージョン以上で利用可能な
パージを処理する 3 つの環境設定(about:config)が実装されています。
https://www.ghacks.net/wp-content/uploa ... ackers.png● privacy.purge_trackers.enabled -- この機能が有効(true)か無効(false)かを定義します。
● privacy.purge_trackers.logging.enabled -- アクティビティがログに記録されるか(true)、記録されないか(false)を定義します。
● privacy.purge_trackers.max_purge_count -- バッチごとにパージされるクッキーの最大数(デフォルト:規定値は、100)。
Firefox によるトラッカーのサイトデータやクッキーの自動削除を望まない場合は、
privacy.purge_trackers.enabled を false に設定する必要があります。
処理をログに残したくない場合は、
privacy.purge_trackers.logging.enabled を false に設定します。
参考資料(出典):
associated with tracking cookies | gHacks Tech News
by Martin Brinkmann on March 04, 2020
https://www.ghacks.net/2020/03/04/firef ... g-cookies/