※質問するときは、「フォーラムの利用に関するご案内」、とりわけ「質問するときは」に目を通し、OS の種類や Thunderbird のバージョン、アカウントの種類(IMAP か POP か)といった使用環境についての最低限の情報を書き添えることをお勧めします。kvol さんが書きました:
以下の2点はトラブルの原因になりえますでしょうか?
①バージョンが違うthunderbird間でプロファイルをコピーしたこと
②受信フォルダが10ギガバイトを超えていたこと
いくつかの条件が付きますが、この2点がトラブルの原因になることは十分にあります。
kvol さんが書きました:
①バージョンが違うthunderbird間でプロファイルをコピーしたこと
多くのソフトウェアと同様に、Thunderbird もバージョンアップごとに様々な改良や変更が加えられています。
これには、プロファイル内の構造やファイルフォーマットの変更なども含まれます。一例を挙げれば、パスワード管理ファイルは、10.0.x のころは signons.sqlite + key3.db の組み合わせでしたが、31.x あたりで logins.json + key3.db に変更され、60.0 では logins.json + key4.db に変更されています。
通常、順番にアップデートしていく分には、変更点は引き継がれるようになっています。
なので、…… 52.7.0 -> 52.8.0 -> 52.9.0 といった更新はもちろん、52.9.0 -> 60.0 といった更新でも、同じプロファイルを使っていて問題が起こることは普通はないと思います。
しかし、途中をスキップして極端にバージョン間の開きがある更新をおこなった場合、プロファイル内のデータの一部が正常に引き継がれないことがあります。
本件のように、10.0.4 のプロファイルを、そっくりそのまま 52.6.0 で使おうとした場合も当てはまります。すでに使っていた 52.6.0 のプロファイルに、10.0.4 のプロファイルを上書きコピーした場合なんかは、もっとトラブルが起こりやすくなるはずです。
アドオン(拡張機能やテーマ)の導入状況とその設定内容、独自のカスタマイズの状況なども、軽重はともかく障害発生の確率を上げる要因になりやすいと思います。
機能面での改良をはじめ、セキュリティの強化などは頻繁におこなわれ、それがプロファイル内にも反映されます。一方、メールクライアントという性格上、電子メールの基盤となるメールデータなどは最大限の互換性が確保されています。例えば、Thunderbird の前身である Mozilla Suite や Netscape Communicator のメールデータも、Thunderbird 52.x や 60.0 に取り込むことは基本的に可能です(細部は非互換な部分もありますが...)。
kvol さんが書きました:
②受信フォルダが10ギガバイトを超えていたこと
Windows 版の場合、以前は 1フォルダーあたり 4 ギガバイトの制限がありました(下記、補足)。
今の時期、Thunderbird 60.0 がリリースされたタイミングですが、直前バージョンの Thunderbird 52.x 系でも、Thunderbird 上の 1 フォルダの容量制限は、原則的に解除されており、理屈の上では 4 ギガバイト超のフォルダーでも大丈夫です。
とはいえ、Thunderbird の標準のメッセージ格納フォーマットである mbox 形式は、メールクライアント上の1フォルダーに含まれるメールデータを、システム上(=プロファイル内)では1ファイルとして保持しています。つまり、「受信フォルダが10ギガバイトを超えていた」ということは、プロファイル内の実体ファイルも 10 ギガバイトを超えていたということです。メールの実体ファイルはテキストファイルですが、Thunderbird を起動し、メールの受信、移動、削除などをおこなうたびに、10 ギガバイトを超えるテキストファイルに対する読み書きが発生する状態にあった、ということです。
システムスペックによっては、肥大化したファイルの処理に負荷がかかるでしょうし、ディスク上で非常に極端な断片化が起こっている可能性も出てきます。
こういう状態のファイルは、安定性の観点から適切といえるのかどうか、という疑問は残ります。
システム環境やユーザーの運用状況という現実的な事情をふまえるなら、Thunderbird 本体で1フォルダー当たりの容量上限が解除されていることと、実際に 10 ギガバイト超の容量を持つファイルを安定的に扱える条件をクリアしているかは、別の問題だといえます。
総じて、1フォルダーをあまり肥大化させないほうが、安定性を維持できるとは思います。(そういう意味で [アーカイブ] 機能は有用でしょう。)
kvol さんが書きました:
以前thunderbirdのバージョンが10.0.4のユーザープロファイル(%AppData%\Thunderbird\Profiles\にあるもの)を
コピーし、別のPCのthunderbird(ver 52.6.0)にコピーしたことが
ありました。受信フォルダは10ギガバイトを超えていました。
Thunderbird 10.0.4 なら、おそらく 10.0 系の ESR 版で、そのリリースは 2012 年 4 月ごろです。Windows XP もサポート期間内だった時期です。
このバージョンでは、まだ 4 ギガバイト制限が残っていたように思うのですが(たぶん...)、「受信フォルダは10ギガバイトを超えていました」なら、警告を度外視して過剰に蓄積されていた可能性が考えられ、そのときの [受信トレイ] はすでに危うい状態になっていたのかもしれません。
「別のPCのthunderbird(ver 52.6.0)にコピー」ということはバージョン間の開きも相当に大きいですから、肥大化した [受信トレイ] の問題に加え、古過ぎるバージョンのプロファイルの問題がからみ、これら2つのリスク要因がマイナス方向の相乗効果を発揮した、という最悪のシナリオも否定しきれません。
(補足)
Thunderbird の1フォルダー当たりの容量上限は、元もとは、メールの実体ファイルが置かれるドライブのファイルシステムの制約からきていると、大昔に耳にした記憶があります。
例えば、FAT32 のファイルシステムでは、1ファイルの上限が 4 ギガバイトですから、メールの実体ファイルもそれを超えないように Thunderbird 側でも一定のリミッターをかけていた、というような...。同じ理屈で、昔むかしの Mac OS 版 Thunderbird ですと、たしか 2 ギガバイトが上限だったと記憶しています。
(間違ったことを書いていたら、訂正のツッコミをお願いします。)
過去に送受信したメールデータを移行できればいいのなら、古過ぎるプロファイルを丸ごとをコピーするのではなく、メールデータだけを対象に扱うという選択肢もあったはずです。
標準の mbox 形式の場合、プロファイルフォルダーの直下に、IMAP アカウントなら [ImapMail] フォルダー、POP アカウントなら [Mail] フォルダーがあり、その中にアカウントごとのフォルダーがあり、さらにその中に [受信トレイ] などの実体ファイルが複数存在します。
もし、「別のPCのthunderbird(ver 52.6.0)」が、Windows 10 上にインストールされたもので、ハードウェアスペック的にも十分余裕をもって動いているのなら、ファイルシステム的な制約も、Thunderbird の容量上限も実質的に心配することはないでしょう。そういう環境下に「10ギガバイトを超え」た受信トレイの実体ファイルだけを移行させることで、単純に巨大なメールデータとして読み込めた可能性はあると思います。2つのリスク要因の内、少なくとも①は回避できたということです。
とりあえず以上です。役に立たない話だったらすみません。
(おことわり)
現在、健康上の制約により不定期な書き込みしかできなくなっています。すぐに応答できない場面がかなり多くなりますことを、ご容赦ください。