原因がわかったあとに、なおかつ遅い応答で恐縮ですが......。
トピックタイトルから察するに、"意図的にマルチプロセスを無効にしておきたい" というのが、f-angel-mzzj さんの目的だということでしょうか?
52.x ESR の最終バージョンは 52.9.x の予定なので残りのサポート期間は限られていますが、その目的に関連しそうな事柄をいくつか書き込ませていただきます。すでにご承知のことなら余計なお世話になってしまいますが、もし使えるところがあれば利用してください。
【ESR 版の特性】f-angel-mzzj さんが書きました:
(1)ESR52.7.x->52.8.xで非対応アドオンによるe10sブロックが廃止され、
強制的にマルチプロセスに切り替わるのか?
ESR 版は、次のメジャーバージョンまで基本仕様の変更はないことが原則です。
マルチプロセス(e10s)の動作についても、52.x 系列の途中で「強制的にマルチプロセスに切り替わる」ような仕様上の廃止・追加・変更がおこなわれることは考え難いです。(疑うとしたら、バグの線のほうが、まだ可能性はあると思います。)
【52.x ESR における e10s の制御】ご存知のことと思いますが、Firefox 60.x ESR では e10s の動作が本体の機能となっているのに比べ、Firefox 52.x ESR ではまだ外付けの e10srollout@mozilla.org.xpi で e10s の制御がおこなわれています。(投稿の都合上、わざと@マークを全角にしています。以下同様。)
(補足)
e10srollout@mozilla.org.xpi は、Firefox 52.x ESR のインストールディレクトリ配下、browser\features\ 内にあります。
名前のとおり、マルチプロセス機能をロールアウトする役割を担っており、通常リリース版でも 57.0 あたりまではこの機能が使われていました。
e10srollout@mozilla.org.xpi が読み込まれることで、52.x ESR では about:config に e10s に関する設定項目が反映され、素の状態なら初期値で e10s が有効になります。
同時にこのロールアウトの条件によって、運用経過、とくに拡張機能まわりやアクセシビリティ機能まわりの状態変化が、e10s の有効/無効を変化させることがあります。(52.x ESR のバージョン内では e10srollout@mozilla.org.xpi の基本内容に変更はありませんが、55.0 、56.0 、57.0 ... などバージョンの進捗に従ってロールアウトの条件は変更されています。)
【52.x ESR で e10s を意図的に無効化する】ユーザーが自覚的・明示的に e10s を無効化して 52.x ERS を運用たい場合、pal さんが仰っているように、
pal さんが書きました:
browser.tabs.remote.autostart
もしくは、
browser.tabs.remote.autostart2
を false にすることで対応でき、こちらのほうが確実性は高いと思います。
(補足)
52.x ERS では、browser.tabs.remote.autostart は初期値 false で、e10s の切り替えは browser.tabs.remote.autostart2 が担っています。
browser.tabs.remote.autostart2 は e10srollout@mozilla.org.xpi が追加する項目ですから、値が true / false のどちらでも about:config 画面では太字表示になります。
(余談:e10srollout@mozilla.org.xpi を Firefox に読み込ませないことで、e10s のロールアウトを抑止する力技もあるのですが...。)
比較として、60.x ESR では e10s の制御が本体内に移っているため e10srollout@mozilla.org.xpi は存在しません。そのため browser.tabs.remote.autostart2 もなくなり、browser.tabs.remote.autostart(初期値 true)で一元的に e10s の有効/無効がコントロールされます。
f-angel-mzzj さんが書きました:
マルチプロセスウィンドウ 0/1 (アドオンにより無効)
でe10sが動作しないようになっていたところが
マルチプロセスウィンドウ 1/1 (既定で有効)
に変わっており、configも(手動で強制変更していないのに)
extensions.e10s.BlockedByAddons: false
と、マルチプロセス可能な状態に切り替わって動作していました。
仰っているように、[トラブルシューティング情報] の [アプリケーション基本情報] -> [マルチプロセスウィンドウ] で e10s の状態を把握できます。
この場合、
browser.tabs.remote.autostart2 の値が true のまま、extensions.e10sBlockedByAddons が true になっていると、
0/1 (アドオンにより無効)
と表示されます。
e10s の無効化を目的にユーザーが extensions.e10sBlockedByAddons の値を true にしていたとしても、extensions.bootstrappedAddons や extensions.e10s.rollout.blocklist の情報と連携する形で、拡張機能のインストール、更新などの結果を反映して、e10s の有効・無効が切り替わることがあります。
(補足)
f-angel-mzzj さんのご要望とは逆ですが、extensions.e10sBlockedByAddons の値がどう変化しようとも意図的に e10s を有効にしておきたい場合は、extensions.e10sBlocksEnabling(初期値 true)を false にしておく方法で対処できます。
一方、browser.tabs.remote.autostart2 の値を false にすると、extensions.e10sBlockedByAddons の値がどうであれ、
0/1 (無効)
と表示され、e10s は無効化されます。
使用している拡張機能の条件に左右されず、常に e10s を無効にしておきたいのなら、browser.tabs.remote.autostart2 で対処するほうがいいと思います。
【補足=設定項目の違い】f-angel-mzzj さんが書きました:
extensions.e10s.BlockedByAddons: false
f-angel-mzzj さんが書きました:
B) 強制的に extensions.e10s.BlockedByAddons: true に戻せば、
2 カ所で同様に書かれているので記述ミスではないのかもしれませんが、当方の現環境(ESR 52.8.1) では about:config に
extensions.e10s.BlockedByAddons
という設定項目はなく、
extensions.e10sBlockedByAddons
という項目ならあります。違いは、e10s のあとのピリオドの有無です。
もしかしたら過去の利用経過によっては、extensions.e10s.BlockedByAddons(ピリオド付)という項目が存在するのかもしれませんし、f-angel-mzzj さんがお使いの(管理下の)Firefox のプロファイルに標準状態とは異なる何かがあり、e10s の設定に関与しているのかもしれません。
基本的なトラブルシューティングはやはり重要です。
現在の Firefox 52.8.1 ESR で新しいプロファイルを追加作成し、初期状態のまま e10s の動作状況と about:config の設定項目を比較・点検。次いで、常用しているアドオン(拡張機能)を入れた状態で、e10s の動作状況と about:config の設定項目を比較・点検なさってみてはいかがでしょう。
現用プロファイルの実情と比較することで、現用プロファイルに存在するかもしれない変則部分を切り分けられるかもしれません。
とりあえず以上です。役に立たない話だったらすみません。
(おことわり)
現在、健康上の制約により不定期な書き込みしかできなくなっています。すぐに応答できない場面がかなり多くなりますことを、ご容赦ください。