【はじめに】
Thunderbird に関するご質問のようですが、異なるカテゴリのフォーラム(掲示板トップ ≫ その他の話題 ≫ MozillaZine.jp について)に投稿されています。
今回は管理者の方が移動してくださると思いますが、今後は適切なカテゴリ(Thunderbird のことなら [掲示板トップ ≫ 相互ユーザサポート ≫ Mozilla Thunderbird] )に投稿してください。
場違いなカテゴリに投稿すると、そのテーマに関心のあるユーザーの目に触れる機会が減り、回答が寄せられ難くなって、結果的に質問者にとって不利になります。
(参考)・MozillaZine.jp フォーラム - フォーラムの利用について
faq.php?mode=forum#f0r2 お手数をおかけしますが、移動作業、よろしくお願いいたします。> 管理者様
【本題】
shu さんが書きました:
差出人アドレスをカスタマイズすると
これは、Thunderbird 45.0 で、メッセージ作成・編集時に差出人(From)アドレスをカスタマイズできるようになったことを仰っているのでしょうか。
(参考)・Thunderbird 45.0 リリースノート
https://www.mozilla.jp/thunderbird/45.0/releasenotes/新機能「メッセージ編集時に送信者を編集できるようにしました。」
shu さんが書きました:
差出人を誰にでもなりすましてしまうことが出来ませんか?
仰るとおり、やろうと思えばできます。
Bugzilla でも随分議論があったみたいですが、そういうデメリット(リスク)を考慮したとしても、柔軟に編集できるメリット(リターン)のほうが採用された形で現在に至っているようです。
もっとも、差出人(From)を変更すること自体は、以前のバ―ジョンでも可能でした。
ただし、Thunderbird 38.x まではアカウント設定の [既定の差出人情報] や [差出人情報を管理] などで指定しておく事前準備が必要でしたし、用途によっては使用後は設定を戻すなどの手間がかかる、どちらかというと固定的な方法でした。
しかし 45.0 では、開いたメッセージ作成ウィンドウからそのつど必要に応じて編集でき、一時的なニーズにも柔軟に対応できるようになったということです。
ユーザーが複数のメールアドレス(アカウント)を持っていて、差出人のアドレスを切り替えたい場合なんかの対応はご存知のとおりですが、別の使用例を挙げれば、同窓会の幹事3人が連名で差出人(From)になり、同窓会の案内を送るような一時的なケースとかに対応しやすくなりました。
差出人(From)は本来、複数のアドレスを列記できるものなので、そうした操作が状況に応じて簡単にできるようになったということです。
(もちろん、物理的な送信者はその中の一人なので、実際の送信者情報は Sender フィールドで定義されることになっていますが、これは 45.0 でも実装されていません。ここはちょっと残念です。)
電子メールの本来的な仕様・規格では、From フィールドに入れることができるメールアドレスの自由度は高いので、今回の Thunderbird 45.0 の機能はその仕様・規格により近づいたといえるでしょう。
一方、なりすましなどの悪用は、こうした仕様・規格とは別次元の動機に由来します。メールソフト側で制約を設けて縛りをかけるというのも一法ですが、なりすましを志向する者はどんな方法を使ってでも実行してしまいます。現に、専門業者による組織的な迷惑メール送付では常用されています。多くの場合、Thunderbird のようなメールクライアントとは別の大量送信向けのプログラムを使っているらしいですが...。
一般的なユーザーが一般的な環境条件下で Thunderbird を使っているのなら、プロバイダや会社・学校などのメールサーバーを利用していることが多いと思います。こうしたメールサーバー(送信サーバー)では、それなりに迷惑メール対策をとっています。この対策内容によっては、安直に差出人アドレスを偽装していると送信拒否される場合があります。なので、上記の使用例などで Thunderbird 側で差出人情報を柔軟に変更できても、使っている送信サーバーからは送れないというケースもあり、無原則になりすましを実行できるわけではありません。
なんにせよ、差出人(From)のカスタマイズの柔軟性が増したということは、一方ではメールの仕様・規格上は望ましい方向であり、他方ではご懸念の状態を実現しやすくなった側面もあります。
Thunderbird に限った話ではありませんが似たような話でいえば、HTML 形式のメールに不正なスクリプトを埋め込んで送ることは現状で簡単にできるわけですが、だからといって HTML 形式のメールを使えなくすればいい、という結論にはならないのと同列の問題かと思います。
ユーザーの意図に反してソフトウェアが自動的に不正な動作をとることは、ソフトウェアの設計・仕様上の問題だといえますが、ユーザーの意図的な操作によって不正な用途にソフトウェアが利用されることを、ソフトウェア側で抑止することは簡単にはできません。突き詰めれば、ユーザーのモラルの問題に帰着するのでしょうね。
いちおう、ぼくが把握していることをざっくり書いてみました。的外れな話になっていたらすみません。