遅ればせですが、横から失礼します。
本質的な回答ではないのですが、以前に似たような経験をしたので、そのときのことを書かせていただきます。
最初にお断りしておきますが、決して行儀のいいやり方ではありません。試すなら
at your own risk でお願いします。
(前説)
以前、Windows XP 環境において Firefox 24.0 ESR が現役バージョンだったころだと記憶していますが、プラグインでの PDF document の取り扱いについて疑問があり、実際に動作を試してみたことがあります。(Firefox 本体の PDF ビューアは無効化していました。)
発端は、DjVu document(image/vnd.djvu)をブラウザ内に表示する方法を模索したことです。あれこれ試して、ポータブル版 Firefox にも簡単に導入できる Sumatra PDF の利用に立ち至りました。
SumatraPDF Browser Plugin(npPdfViewer.dll)を Firefox に認識させ、ブラウザ内で DjVu document を展開できましたが、このブラグインは application/pdf にも対応しています。
すでに Firefox には Adobe Acrobat Plugin(nppdf32.dll)が入っており、これも application/pdf に対応しています。
こういう経過の中で、1つのファイルタイプ(Content Type / MIME Type)に対して、2つ以上のプラグインが同時に対応しているとき、Firefox はどのプラグインを使ってどういう動作をするのかを試してみたわけです。
結論からいうと、この場合、PDF document に対しては [Adobe Acrobat を使用(Firefox 内で表示)] が優先的に使われました。
SumatraPDF Browser Plugin 以外にも、application/pdf に対応したプラグインを入れてみましたが、Adobe Acrobat Plugin が有効になっている限り、Adobe Acrobat Plugin が使われました。
なぜそうなるのか仕組みはわかりませんが、Firefox はプラグインを使う代表的なファイルタイプについて、
・Firefox のプラグインを使用するには | Firefox ヘルプ
https://support.mozilla.org/ja/kb/use-p ... ideo-gamesにあるような、デファクトスタンダードなプラグインを優先使用するようになっているのかもしれません。
(プラグインのコントロール)
いうまでもなく、一般的には次の2カ所を上手に組み合わせて設定することが基本です。
(A)[アドオンマネージャ] の [プラグイン] パネルの有効・無効などの設定
(B)オプション設定の [プログラム] パネルにある [取り扱い方法] の選択
しかし、(A)でできるのは有効と無効の切り替えぐらいです。複数のブラグインが同一のファイルタイプを動作対象としていると、ご質問にあるよう状況が発生することがあります。
Firefox 内部で動作するプラグインの性質上、外部プログラムのように(B)の [取り扱い方法] に複数を追加し、その中から切り替えてコンテンツを渡すことはできません。[ファイルの種類(Content Type)] と [取り扱い方法] の関係において、ある Content Type に対して選択できるプラグインは1つです。
プラグインが対応しているファイルタイプ自体の取捨選択や、あるファイルタイプの動作に使いたいプラグインをページごとに切り替える設定もありません。
任意のサイトを開いているとき、[ページの情報] にある [サイト別設定] に、[プラグインの実行] という項目はあるのですが、1つのファイルタイプに対して有効化されるプラグインは1つなので、その優先使用されているプラグインをここでブロックしたからといって、抑制されていたプラグインが使用できるわけではありません。
プラグインの動作を、ファイルタイプではなくサイトを基準にコントロールしたい場合には、工夫できる設定項目だとは思いますが...。
(
非公式かつリスクのある対策)
そこで、シロウトなりに着目したのが、取り扱い対象としてプラグイン自身が内部で定義しているファイルタイプ(Content-Type / MIME Type)を書き換えることです。
要するに、これが重複しなければ、それぞれのファイルタイプを扱うプラグインを一意に決められるのではないか、と考えました。
about:plugins を見るとわかりますが、プラグインで扱える [MIME タイプ] 、[フィアルの種類] 、[拡張子] が表示されます。
このデータは、プロファイルフォルダ内の pluginreg.dat に保持(キャッシュ)されています。
― 目標とした動作
・PDF document(application/pdf)
・DjVu document(image/vnd.djvu)
・XPS document(application/vnd.ms-xpsdocument)
この3つは、SumatraPDF Browser Plugin で開く。
FDF document(Forms Data Format / application/vnd.fdf)など、PDF 以外の Adobe Acrobat Documents は、Adobe Acrobat Plugin で開く。
― 実行したこと
・pluginreg.dat をテキストエディタで開き、Adobe PDF Plug-In For Firefox and Netscape の項目にある application/pdf の一行を削除して保存。
[PLUGINS] のカテゴリから、Adobe Acrobat / nppdf32.dll についてまとめられている項目を探す。
対応している MIME Type / Content Type の個数が書かれた行のあとに、先頭に番号を振って各 MIME Type が記述されているので、その中から除外したい MIME Type の行を削除。
削除した数だけ、対応する MIME Type の個数が減るので、数字を書き換え。
各行の先頭にある数字も、削除した分シーケンスが狂うので、きちんと通るように番号を振り直し。
変更後、保存。
・pluginreg.dat に OS の機能で「読み取り専用」属性を付与。
― 結果
Adobe Acrobat Plugin と SumatraPDF Browser Plugin が2つとも有効な状態で、PDF ファイルを SumatraPDF Browser Plugin で開くことができました。
他のファイルタイプは、それぞれのプラグインで希望どおりに開けました。
【要注意】pluginreg.dat を開くと先頭に "Generated File. Do not edit." と書いてあります。この警告を無視して書き換えるのですから、その結果については自分で責任を負う覚悟が必要です。
新しいプラグインをインストールしたり、アンインストールしたりするごとに、about:plugins は書き換えられます。これに「読み取り専用」属性を付けることで、変更のあったプラグインの情報が正常に反映できなくなります。
また、MIME Type を削除したプラグインで、その MIME Type を利用したくなったときは、pluginreg.dat 全体をリセットすることになります。
既存の pluginreg.dat を削除したあと Firefox を起動すると、そのとき Firefox が認識できるプラグインを読み込んだ pluginreg.dat が新しく自動生成されます。
ぼくが試したのは、PDF とその周辺の動作だけです。マルチメディア方面のファイルタイプでは試していませんので、上記の話が通用するかどうかは断言できません。
また、もっと簡素で効果的なやり方があるかもしれません。せいぜいぼくの力量でたどり着けた範囲での話であることをご承知置きください。
(補足)ご承知とは思いますが、今後このトピックをご覧になる方のために...
プラグインは非常に便利なものではありますが、文字通り Firefox に Plug-in してくるので、プラグイン側の不具合で Firefox の安定性が損なわれたり、セキュリティ上の脅威になったりします。
インストールされるプラグインは必ずしもユーザーが自覚的に把握しているとは限りません。知らぬ間に入り込んでいるブラグインもあるでしょう。その結果、同じファイルタイプに対応したプラグインが複数存在することも起こりえますし、競合などで Firefox の動作に悪影響を及ぼす場面が出てくるかもしれません。
Firefox が OOPP (out-of-process plugins) のような機能を取り入れたのも、プラグインが原因のクラッシュが極めて多かったからです。
プラグインを積極的に使いこなしたいユーザーは、プラグインのインストール・アンインストール、インストール後の有効化・無効化などを、意識的にコントロールする必要に迫られると思います。(これを面倒がっている限り、プラグインの使いこなしには限界があると思います。)
コンテンツによっては、プラグインを使わず [<program name> を使用] を使ったほうがいい場合もあります。
ページ内に埋め込まれた動画や音声はプラグインを使うしかないこともありますが、PDF などのドキュメントファイルは外部プログラムに引き渡して開かせることも十分有用です。
プラグインに固執し過ぎず柔軟に使い分けたほうが、全体の安定性にはプラスになると思います。コンテンツを外部プログラムに引き渡して開かせるのは、Firefox と完全に独立した動作になるので、プラグインにように Firefox を巻き込むトラブルを誘発してしまう危険性はずっと低くなるからです。
上述した事例ではプラグインの挙動を試したかったからやってみたのですが、現在は PDF document などの取り扱いはプラグインだけに依存せず、外部プログラムで使うものもあります。ご質問の答えになってはいないと思いますが、とりあえず知っていること、実際にやってみた経験を書かせていただきました。何かしらのヒントになるところがあれば、応用してください。