横から失礼します。
ぼくは、技術者ではなく一介のエンドユーザーに過ぎませんが、経験上把握していることを書きます。
【総論】
Firefox のブックマークと履歴(閲覧ページ、ファビコン情報、ダウンロードなど)は、Places というデータベース形式の仕組みで管理されています。
基本的に、Firefox から指定してアクセスした、あるいはユーザー環境に登録(=ブックマーク)した「URL の情報」が一括して扱われています。
このうち、Web ページの閲覧履歴は、[履歴とブックマークの管理] ウィンドウ、履歴サイドバー、メニューボタンやメニューバーから開く [履歴] メニューから確認することができます。
これらのユーザーインターフェイス(UI)上に表示されるのは、Firefox でアクセスしてコンテンツを表示した Web ページの URL です。
後述するリダイレクトされた URL は、記録されますが、通常の状態では表示されません。
弥生和分 さんが書きました:
pic.twitter.com/ で始まるURLを踏んだ時に追加される t.co/ など、履歴とブックマークでは表示されないURLがあるのはなぜでしょうか?
弥生和分 さんが書きました:
このように、非表示のURLがいつ入るのかは分かりません。
ご質問にあるように、[履歴とブックマークの管理] ウィンドウなどで [検索] を実行すると、それまで表示されていなかった URL が表示されることがあります。
これは、ぼくが知っている限りでは、リダイレクト元の URL です。
ご存知のように、Web ページ間のリダイレクト(HTTP リダイレクト/URL リダイレクト)は一般に、ある URL にアクセスすると自動的に他の URL に転送する仕組みを指します。
リダイレクトの方法はひとつではありませんし、その用途も正当なものから不正なものまでありますが、リダイレクト自体は、ブラウザから見れば Web サイトへのアクセスをおこなっているので、リダイレクトが適正に機能しているとアクセスした記録(履歴)が残ります。
Firefox の場合、こうしたリダイレクト用の URL は、履歴関連の UI には普通は表示されないようになっています。
(ただし、リダイレクト用の URL をブックマークに登録している場合は別です。)
【各論】
リダイレクトの仕組みはいくつかあり、それぞれ特徴が異なります。
(A)
Twitter の事例として示されているような「短縮 URL」の場合は、比較的扱いやすいです。
なぜなら「短縮 URL」は、実際にその短縮 URL のドメインを持つサーバーがあり、その短縮 URL から実際の URL を照合して、本来の URL にリダイレクトしているからです。
「短縮 URL」自体が、極めて長い URL を人間であるユーザーにとってわかりやすいようにする仕組みであるため、必ずユーザーの目に触れますし、短縮 URL の実在ドメインに規則性(*)があるので、Firefox の [履歴とブックマークの管理] からその文字列で検索するのは簡単です。
(*)「短縮 URL」のドメイン部分が、Twitter なら t.co だったり、Mozilla のサポートページなら、mzl.la だったり、はっきりわかります。
(B)
面倒なのは、開いている Web ページ内のリンクに、リダイレクトが指定されているような場合でしょうか。しかも多段階のリダイレクトがおこなわれる場合もあります。
ご質問の例示でいえば、Google のケースですね。
このようなリダイレクトは、ソース内にその指定があるため、ユーザーが意識して調べない限り、リダイレクト元の URL はユーザーの目には触れません。
したがって、ページ内のリンクをクリックして目的のページに遷移したとき、途中にリダイレクトがおこなわれていることに気づかない場面は非常に多いでしょう。
誰でも簡単に試せる一例を挙げるなら、Yahoo! JAPAN のトップページでしょうか。
http://www.yahoo.co.jp/このページの中央にある「ニュース」にある記事のどれかをクリックして、その記事のページを開くと、開いたページのロケーションバーには
http://news.yahoo.co.jp/ ~ となっているはずです。しかし実際には、トップページのニュースのリンクはリダイレクト用の URL が指定されており、そこを経由してリダイレクト先の URL にたどり着きます。
Yahoo! JAPAN のページでこうした操作をしたあと、Firefox の [履歴とブックマークの管理] を開き、検索欄に「rdsig.」と入力してみると、検索前は表示されていない「rdsig.yahoo.co.jp ~」という URL が表示されるはずです。
【解決策または緩和措置】
弥生和分 さんが書きました:
ですからこれらを一切履歴に入れない、
通常の Web アクセスと明確に区別をつけて、リダイレクトの記録だけを一切残さない方法は存じません。
Web サービスによってはリダイレクトを避けると正常に動作しないものもあるようですし、ブラウザに記録しないことでページの流れが途切れて [戻る] [進む] などの動作が意図しない結果を生むことも、ないとはいえません。
弥生和分 さんが書きました:
または簡単に消せる方法を知りたいのです。
(A)の短縮 URL の場合は上述したように、Firefox の [履歴とブックマークの管理] から簡単に検索をかけて削除処理ができると思います。
(B)の場合は、訪問した Web ページが多種多様であればあるほど、水面下に存在するリダイレクト用 URL を特定しにくいため、おっしゃるように「検索するにはヒットするキーワードが必要なのでそれが分からないものは見つかりません」となるわけですが、次のような手順で多少は労力を緩和できるかもしれません。
・Firefox の [履歴とブックマークの管理] を開き、検索欄に http と入力します。
・すると、リダイレクト用の URL のように標準状態では表示されていなかったものを含め、http または https でアクセスした URL が全部表示されます。
・その表示の変化を観察して、隠されていたリダイレクトの URL を判別することができます。
・リダイレクトの URL だと判断した項目に対し、右クリックから [このサイトの履歴を消去] を実行すると、その URL のドメインに一致する複数の項目が一括消去されます。
([このサイトの履歴を消去] は、(A)のケースでも活用できます。)
【補足】
アドオンの中には、リダイレクトを回避する機能を提供するものもあります。
しかし、その有効な活用には、相応の知識を必要とします。
なぜなら、リダイレクトを用いるのはサイト側の仕様や都合によるからです。
これをユーザー側で(経由や履歴を)完全に拒絶すると、場合によっては上述したようにサイトが提供するサービスが正常に動作しなくなるケースが出てきます。
結局、リダイレクト自体は Web 技術のひとつですから、ユーザーがこれを嫌うとしても、どこかで妥協するしかないのが現状だと思います。
リダイレクトを回避するアドオン類も、ホワイトリストやブラックリストでサイトごとに切り分けをおこなうような仕様になっているものが多いですから、結局はユーザーがサイトごとの仕様を理解し、リダイレクトの許可・不許可を判断していくしかないようです。
個人的には、ごく常識的な使い方の範囲ならそこまでリダイレクトに神経質になることはないと思いますが、リダイレクト自体を拒否するのではなくともその内容を「ブラウザの履歴に残したくない」というニーズがあるのは理解できます。
一方、Firefox でどのようなアクセスがおこなわれたかを(リダイレクトを含めて)あとで確認したい、というニーズもまたあるでしょう。
その妥協点として、リダイレクトだと判断された URL は、Firefox の標準の履歴画面には表示されないようになっていて、より詳しく調べたい場合は検索機能から探れる、とまあそんな感じなのだと思います。
とりえず以上です。
あくまで経験的な知見でしかないので、技術的に詳しい知識をお持ちのユーザーさんから、補足や訂正などを追加していただけるとありがたいです。