Setsuo さん、ご報告ありがとうございます。
整理するのはたいへんだったと思いますが、おかげで少し理解が進みました。以下、順を追ってコメントさせていただきます。
Setsuo さんが書きました:
1. Acronis True Image によるバックアップと復元
1) 今回の異変 (アドレス帳消失) に最初に気づいたパソコンは Dell inspiron 14 5000 [パソコン (A)]。昨年暮れに購入した若いPC。Thunderbird や Firefox には数点のアドンを導入したのみ。このパソコンに Acronis True Image 2015 をインストールしたのは 2 月 26 日です。それまでは 2013 年版 (英語) をしてきましたが、Windws 8.1 機にはインストールしておりませんでした。
Acronis True Image 2015 日本語版はメニューも様変わりし、確認すべき事項がたくさんありました。
このスレッド中で「復元」言っているのは主に Acronis True Image での復元のことです。
最初に問題に気づいたパソコン(A)では、前段に Acronis True Image というソフトを使って何度かの「復元」をおこなっておられたのは、すでにお話があったとおりです。この「復元」については後述します。
そして、
Setsuo さんが書きました:
2) 異変が複数のパソコンで同時に起きたわけではありません。
・ 3/1 午後 9 時頃、パソコン (A) でメール作成中に宛先のアドレスを参照できないので、メールツールバーからアドレス帳を参照したらアドレス帳が消えていた。
・同日、深夜にかけて、同じパソコン (A) で VirtualBox で仮想化した LM17.1 を確認。
Win8.1 の Thunderbird と同様に、アドレスが消えていた。
Thunderbird のバージョンは確認しなかったが、34.1.0 のはず。
ネット上には関連情報は見つからず、私のパソコンたち限定の不具合の可能性が強いと感じた。
言及がないので、パソコン(A)においては Thunderbird の自動更新に関係なく [アドレス帳] の消失に気がついた、ということのように見えます。
その後、いったんパソコン(A)から離れ、別のパソコン(B)を使っているとき、
Setsuo さんが書きました:
・ 3/2 早朝、パソコン (B) を起動。
・メールツールバーからアドレス帳を参照すると USB メモリからインポートしたアドレス帳は、ちゃんと有りました。
受信メールをチェックしていると、Thunderbird アップデート通知があり、促されるままアップデートを行いました。35.1.0 にアップデートされましたが、直前のバージョン確認はしていません。(いつもことで無頓着)
・メールツールバーからアドレス帳を参照すると USB メモリからインポートしたアドレス帳が消えています。このときはプロファイルを参照して調べる知恵がりませんでした。
・パソコン (B) にインストールしてある Acronis True Image 2013 年版を利用して、1 月 19 日のバックアップから復元。
Thunderbird のバージョンは 24.6(前の報告では 31.4 としたが間違いだったと思う)
・メールツールバーからアドレス帳を参照すると USB メモリからインポートしたアドレス帳がありました。
・すぐにアップデート通知がありアップデート (35.1.0 へ) 。Thunderbird を再起動するとアドレス帳が消えていました。
Thunderbird の自動更新を挟んで [アドレス帳] の消失に気づき、とってあったバックアップから復元を実行。[アドレス帳] の復活は確認したが、Thunderbird のバージョンも古いものに戻ったため、再度、自動更新がかかり、実行後に再び [アドレス帳] の消失を確認した、ということのようです。
この流れを拝見していて気になったのは、「3/2 早朝、パソコン (B) を起動」の前にパソコン(B)がどんな状態にあったかが不明、ということ以外は、パソコン(A)や(B)の2回目の前に「復元」という操作が存在していることです。
そして、すべての PC 機体と OS を横断して何らかの関係を持っているのが、先にお話のあった "USB メモリに保存した LDIF 形式のエクスポートファイル" であるという点です。
これらのお話を合わせて推測すると、
Setsuo さんが書きました:
2) バックアップと復元
異変に気づく前に Acronis True Image を利用して Windows 8.1 領域の復元も試していますが、Thunderbird に関してはバックアップをとった後、アドオンを削除して復元を行い、アドオンが元通りに復元されるかを確認しただけ。この時点ではアドレス帳は関心の対象外でした。Thunderbird のプロファイルの中身を覗くこともなく MAB ファイルの認識は皆無でした。
断定はできませんが、この段階で [アドレス帳](と関連する部分)のデータに何らかの異常が起こっていた可能性が十分考えられます。少なくとも、この時点では正常だったという確証はなく、正常から異常に切り替わったのがどの段階だったか、明確にはなっていません。
WADA さんや kiki さんからも、それぞれ同趣旨の(と、ぼくが感じる)ご指摘がありますが、ご報告を読んだ限りでは、「バックアップ」と「復元」の操作の中に何かしらの原因が潜んでいるように、ぼくも感じました。
何を対象(バックアップ元)として、どのような方法でバックアップをとり、何を対象(復元先)として、どのような方法で復元をおこなったか。そこにカギがあるのではないかと思いました。
例えば、
Setsuo さんが書きました:
・パソコン (B) にインストールしてある Acronis True Image 2013 年版を利用して、1 月 19 日のバックアップから復元。
Thunderbird のバージョンは 24.6(前の報告では 31.4 としたが間違いだったと思う)
なくなった [アドレス帳] を復元するのが目的なら、プロファイル内の関連ファイルだけを復元するのが最小限の労力ですむ方法です。正常な他の部分にも余計な影響を与えません。
しかし、どれが [アドレス帳] の関連ファイルかわからないまま、プロファイルフォルダを丸ごと「復元」対象にすることもあろうかと思われます。
その場合でも、Thunderbird 本体のバージョンを下げる必要はありません。が、なぜか「24.6」に下がっています。これはつまり、プログラムフォルダにある Thunderbird 本体も機械的に「復元」したように見えます。
[アドレス帳] を修復する目的のために、どれだけの範囲のデータを、どのように「復元」なさったのか、そのあたりに大きな疑問が残ります。「復元」直後はそれで [アドレス帳] が元に戻ったとしても、その他のデータが書き戻された結果、次に起こるべきトラブルの芽を作り出してしまった可能性も疑われます。
実際におこなわれた方法がどうだったかわからないので断言はできませんが、復元の仕方として、とってあったバックアップにある該当部分のファイル群を、現在のプロファイルフォルダやプログラムフォルダに単純上書きするような書き戻しをやると、フォルダ内に新旧のファイル群が混在してしまう事態が起こりえます。
これは、微細ではあってもフォルダ内のファイル構成や定義された構造に矛盾をもたらす原因になります。
例えば、デフォルトの [アドレス帳] 以外は、prefs.js 内の記述と impab-n.mab などの存在が整合性を維持していないと、Thunderbird 上では使えないということは、すでに説明があったとおりです。この場合、新旧ファイルの混在状態で起こりがちなのは、実際の impab-
n.mab と prefs.js 内の記述が一致しなくなるケースでしょうか。
[アドレス帳] のインポートを重ねると
n 部分が変化したファイルが増えていくことは理解されたと思いますが、その中のどれを生かし、どれを削除したかの経過によって、prefs.js がポイントする impab-
n.mab が決まります。不用意に新旧データを混在させてしまうと、ここに食い違いを生じるケースが起こりうるわけです。
いま述べたのは一例ですが、この種の不都合を起こしうる操作が、各 PC と OS に対して過去何度もくり返しておこなわれていたとするならば、どんな潜在的問題を抱えているかわかりませんから、どんな不可解な現象が起こり出しても不思議はないと思います。
このような不都合を避ける一番簡単な方法は、問題が起こった対象フォルダの中身を全部削除し、バックアップしてある(正常な状態の)フォルダの内容物と置き換える、といった具合に「復元」することです。そうすれば、新旧の混在を避けた完全な置き換えができます。まさに、旧に復する「復旧」です。
しかし、プロファイルフォルダ全体でこれをやると、送受信したメッセージの内容がバックアップした時点にまで後退する、などの副作用を避けられなくなります。
結局、プロファイルのバックアップと復元は、それを実行する必要が生じたときの状態や、何を目的にどう復元したいかによって、適切な対処方法が変わってきます。十把ひとからげに「復元」すればすべてうまくいく、とは限りません。
加えて、新旧のデータが混在するなどして矛盾をはらんだ状態のプロファイルが出来てしまったとして、これをそのままバックアップし、別の場面で別の環境に復元する、さらにそれをバックアップし、また復元する …… ということをくり返していると、微細な矛盾がどんどん蓄積していき、不安定なプロファイルになります。不安定だからトラブルが起こりやすくなり、トラブルのたびに復元をかけるとさらに矛盾が増えてトラブルを呼び込む、という悪循環に陥ることもあります。
たしかに、Thunderbird の自動更新が "引き金" になった可能性はありえます。
本件に限らず、プロファイル内の不整合など潜在的な原因を抱えている場合、更新をきっかけに、これまでは水面下に隠れていた問題が表に出てくることがあるからです。
しかし根本的には、プロファイルの正常な状態が崩れてしまったことが原因、といえると思います。
以上述べたことは、ご説明いただいた経過報告をもとに組み立てたひとつの推論に過ぎず、何度もバックアップと復元をくり返した後となっては、「アップデート後、Thunderbirdからアドレス帳が消えた」ことの真の原因を調べるのは困難か、できたとしても労力の割に得られる成果は少ないように思います。Setsuo さんの環境条件や運用方法の特殊性を正確に把握できない以上、第三者にわかることも限られます。
そういう意味から、kiki さんから寄せられた次のご指摘はもっともなことだと、ぼくも感じました。
kiki さんが書きました:
問題が起きた直後の Thunderbird のプロファイルやアドレス帳ファイルが残っていたら、それを
元に現状の正常な状態のものと、相違点を比較参照できます。
しかし、すでに復元などの作業で、それらが保管されていない現状では、記憶の世界の話になりま
す。
よって、いくらやっても、推測の域を出ないでしょう。
(snip)
#再現して検証するよりも、今後同様の問題を起こさないように、善処策を講じておく
ほうが賢明かと思われます。
今後のことを念頭に置いてくり返せば、(a)何を対象(バックアップ元)として、(b)どのような方法でバックアップをとり、(c)何を対象(復元先)として、(d)どのような方法で復元をおこなうか。目的は何で、復元を実行した結果はどういう状態にしたいのか ―― 。このあたりを今一度冷静に、順序立ててお考えになることをお勧めしておきます。
引用が多く、長くなってしまい失礼しました。ぼくからはこれで終わりにしたいと思います。
Setsuo さんのご健闘を祈ります。