ぼくは、「サーバ設定」で「ヘッダのみ取得する」を有効にして Thunderbird を使ったことはないので、以下は参考意見程度に読んでいただければと思います。
【前提】
POP 方式のサーバーでメッセージを再受信したい場合、POP サーバー上にそのメッセージデータが残っていることが大前提です。もしサーバーから過去のデータが消されていたら再受信は不可能です。
【概要】
Thunderbird 側で、既受信・未受信などサーバーとの間でおこなったメッセージの取り扱い情報を保持しているのは、プロファイル配下にあるそれぞれのアカウントフォルダ内の popstate.dat というファイルです。
「ヘッダのみ取得する」の情報も、このファイルに記録されています。
あくまで自己責任での実行になりますが、popstate.dat を手動で編集することで、「ヘッダのみ取得」の複数のメッセージに対し、まとめて全文を取得することができると思います。
なお、popstate.dat を初期化すると、サーバーに現存するすべてのメッセージが無条件で再受信されます。
【手順】
(0)念のため、当該アカウントの popstate.dat を別の場所にバックアップしておく。
popstate.dat 自体は Thunderbird の動作にとって致命的な影響を与えるものではありませんが、以下の操作に不安があるなら、書き換えのやり直し用にオリジナルを確保しておくという程度の意味合いです。
(1)当該アカウントの popstate.dat をテキストエディタで開く。
# POP3 State File
# This is a generated file! Do not edit.
とあるが、この際だから気にしない。
(2)上記の注意書きと *<アカウント名> に続き、
b<半角スペース><数字とアルファベットの文字列>
のような記述が並んでいるはず。
この行は各メッセージに対応し、
・先頭のアルファベットはそのメッセージの状態を表わしている。
b は、「ヘッダのみ取得する」ことを意味している。
・<数字とアルファベットの文字列> はサーバーに依存して決まる。
| 異なるアカウントだとこの書式が異なるようです。
| 一例を挙げればこんな感じだったりします。
| b 1234567890.23456_12.n-ab123z 1234567899
(3)この
b を
f に書き換えて popstate.dat を上書き保存する。
f<半角スペース><数字とアルファベットの文字列>
例: f 1234567890.23456_12.n-ab123z 1234567899
f は、全文を取得することを意味している。
(テキストエディタの置換機能で、先頭の b を f に一括置換することも可能だと思われる。)
(4)この状態で、「ヘッダのみ取得する」を無効に設定した Thunderbird から当該アカウントの受信操作をおこなうと、b を f に書き換えたメッセージ群が再度、全文を伴って受信される。
(注)ただし、過去に受信したヘッダのみのメッセージが Thunderbird から消されることはないはずなので、Thunderbird 上には件名が同じで「ヘッダだけのメッセージ」と「全文を伴うメッセージ」の 2 つが存在することになるはず。そのため、事後にこれらを整理する必要があると考えられる
(※)。
(※)
(ア)重複したメッセージを効率的に選別・削除するには、下記のようなアドオンを使う方法があります。
・
Remove Duplicate Messages
・
Remove Duplicate Messages (Alternate)
(イ)事前に退避用のフォルダを作り、既存の「ヘッダのみ取得」のメッセージだけをそこに移動させておくと、全文取得後の「受信トレイ」に重複した状態で存在することは避けられるかもしれません。
(ウ)サーバー上のメッセージを削除する設定にしていたとか、意識的に削除したなどで、サーバー上にあった「ヘッダのみ取得」のメッセージデータが消されると、その後に Thunderbird で受信操作をおこなえば Thundebird 上に残っていた「ヘッダのみ取得」のメッセージもおそらく消えるはずです。
なお、popstate.dat やプロファイルについての詳細は下記を参照してください。
(参考)
・
Popstate.dat (英語)
・
プロファイル
とりあえず以上です。的外れだったらすみません