TOVI さんが書きました:
(情報としてMac版Thunderbird3ではFirefox3と同様な状態になるということです。もしこれがMozillaサイドの意図であるならば、WindowsXPのFirefox3.0.10ではヒラギノのウェイトを選べるのでMac版との統一性がなくなってしまいます。またMacのシステムフォントでもあるヒラギノの選択肢をわざわざ減らす理由もわかりません)
TOVI さんが書きました:
Firefoxの仕様変更というか、フォント変更の自由剥奪に憤慨しておりました。愛用者が自由にカスタマイズできるのがFirefoxの魅力だったのですが、残念です。
まず、個々の挙動に対して Mozilla サイドの意向がとりまとめられているわけではありませんので、おそらく開発者の多くはこう考えるだろうと私は思う、というレベルの話になります。
まず、
- HTML や CSS 等の、Web 標準の仕様に従う。
- システム側から取得できる情報(ここでは、フォントの情報)は、システム側から取得する。(これをしないと、同じフォントを使っていても他のアプリと見た目が違う、等のおかしなことになります。Windows 版の Safari、と言えばわかるでしょうか。
といった点については優先順位が高いです。
愛用者が自由にカスタマイズできる、といった点については、それよりはどうしても優先順位が低いです。
ここで、Mac 版は、Gecko 1.8.x 相当製品まで(Firefox, Thunderbird は 2.0.0.x まで)は
Carbon アプリでした。それに対して、Gecko 1.9 相当製品以降(Fx3, Tb3 から)は
Cocoa アプリとなっています。
そのため「システム側から取得」というのは、ざっくり言うと従来は Carbon で取得、Fx3 からは Cocoa で取得、となっています。
Carbon では「ヒラギノ明朝 Pro W3」というフォントと、それとは別に「ヒラギノ明朝 Pro W6」というフォントがある、という扱いをしているようです。
それに対して、Cocoa では「ヒラギノ明朝 Pro」というファミリーがあり、それには「W3」と「W6」がある、という扱いになっているようです。この差異は Apple の意向による物で、Mozilla の意向ではありません。
Windows では W3 と W6 が別のフォントとして扱われるとのことですが、これも Windows のシステムの仕様で、Mozilla の意向ではないはずです。(テストしても良いヒラギノを持っていないので、推測です。)
また、CSS の仕様ではフォントの名前はフォントそれぞれの名前ではなくファミリー名で指定することになっています。なので Mozilla としても「ヒラギノ明朝 Pro」というファミリー名で扱うことになります。
ウェイトの選択は、CSS の仕様では名前に含めるのではなく、font-weight という専用のプロパティで指定します。
font-weight の初期値は normal (=400、W4 相当) と仕様で決まっていますが、ヒラギノ明朝 Pro の W4 というフォントはインストールされていませんので、隣の W3 で代用される結果となります。
デフォルトで W3 が使われるのがお気に召さないようですが、CSS の仕様がフォントを問わず font-weight: 400 を初期値としているのが良くないのか、それとも Apple が W4 で適したフォントを同梱していないのが良くないのか、それとも誰も悪くなくて単に相性が悪かったとしか言いようがないのか、そのあたりはよくわかりません。
なお、ウェイトは上記のように CSS の font-weight プロパティで選択できますので、たとえば userContent.css に
コード:
* {
font-family: "ヒラギノ明朝 Pro", serif;
font-weight: 600;
}
と書くと、フォントの指定が特にない場所では ヒラギノ明朝 Pro W6 が選択されます。