横から失礼します。
仕様的な詳細を知っているわけではない一介のエンドユーザーが使用経験の中で把握してきたレベルの知見に過ぎませんが、遅ればせながらいくつかコメントさせていただきます。
ご質問にあるように Firefox と Thunderbird のキャッシュ(Web キャッシュ)は、Cache ディレクトリ配下の構造は同じですから、共有できないかとお考えになるお気持ちはわからなくありません。
以下、整理を兼ねて書きますので、ご承知の事がらと重複する点があってもどうかご容赦ください。
【Mozilla 製品におけるキャッシュの概要】
Firefox はいうまでもなく、Thunderbird のキャッシュは imoz さんが指摘しておられるように、HTTP または HTTPS のプロトコルでアクセスする Web コンテンツ(ブラウザ的に扱う要素)に対してのみ働いています。
Thunderbird では、HTML メール(許可されたリモートコンテンツなど)、フィードの読み込み・表示、アドオンの更新や Web 検索などの Web アクセスなどでキャッシュの生成・更新がおこなわれますが、テキストメールを扱う場面でこのキャッシュが使用されることはありません。
【キャッシュのコントロール】
ぼくが一番気になるのはこの点です。
以前に Firefox で試したことがあるのですが、Firefox が起動中は Cache フォルダ配下の一部(_CACHE_00*_ 、_CACHE_MAP_ など)がロックされていて、他のアプリケーションから参照はできても更新・保存はできませんでした。
最新バージョンでのキャッシュの仕様は確認していませんが、たぶんいまも、そして Thunderbird でも同様ではないでしょうか。
もしそうなら、とくに Firefox と Thunderbird を同時使用する場合は、キャッシュファイルの更新処理に際して一方がキャッシュデータを適切に取り扱えないケースが起こりうると思われます。
(やったことはないし、いま試してみる余裕もないので断言はできませんが、キャッシュを共有化した場合、先に起動した方の管理下に入り、後から起動した方はキャッシュをコントロールできなくなる可能性はあると思います。)
楽観的に考えれば、Firefox と Thunderbird を同時ではなく必ず排他的に使用するなら、上述のようなコンフリクトは起こらないかもしれません。しかし、同一ディレクトリ配下のキャッシュファイル群に対する管理の二元性、そのことからくるキャッシュデータの更新管理の無駄な動きや利用効率の低下等が起こることは、十分考えられると思います。
【キャッシュの一般的な考え方】
ご存知のように、Web キャッシュは、パフォーマンスや利便性のためローカルエリアに一時的に蓄えられるファイル群です。
したがって、どの程度の容量を使用し、どの程度の頻度で更新していくかなどキャッシュの最適な管理方法は、利用環境や利用目的などの諸条件によって変わってきます。
これは、ブラウザである Firefox 、メールクライアントである Thunderbird 、それぞれの用途・運用方法の違いによって、それぞれのキャッシュの効率的かつ最適な取り扱い方が変わってくることをも意味しています。
ユーザーの目からは、キャッシュのディレクトリを共有化できれば効率的に見えるかもしれませんが、(仮に同時使用ができたとしても)それぞれのアプリケーションから見れば、自身が再利用する可能性のない/できない相手方のキャッシュを含めて起動中にキャッシュを管理しなければならないのは逆に非効率なことですし、Firefox も Thunderbird も、自分のキャッシュと相手方のキャッシュを区別して管理するような仕組みは持っていないはずなので、キャッシュ領域が飽和してくれば相手方の都合を考慮せず機械的に古いキャッシュから消そうとするなど、双方にとっていろいろ不都合な結果がもたらされる可能性は否定できないと思います。
雑駁な例えですが、Firefox でアクセスした Web ページのキャッシュは、Thunderbird で同じ Web ページにアクセスしないなら、Thunderbird にとってはまったく無意味なデータで、キャッシュしておく価値はありません。Firefox からみた Thunderbird のキャッシュについても同様のことがいえるでしょう。
しかしながら、もし Firefox と Thunderbird の利用目的や使い方が限りなく近づくのであれば、キャッシュの共有化にあたっての無駄は減り、有意性は高まると思います。
再利用する/できるからこそ、キャッシュは生きてくるものですから。
【補足】
キャッシュはあくまで一時的なファイル群ですが、溜め込み過ぎや偶発的なデータ破損などによってアプリケーションの動作に不具合をもたらす原因になることがあり、
基本的なトラブルシューティング のひとつとして「キャッシュの消去」が案内されていたりします。
ユーザーが意図せずともトラブルなどで偶然そうなる場合も含め、キャッシュまわりの問題を生み出しやすい運用方法は、アプリケーションの動作に悪影響を及ぼすリスクを高めてしまう、ともいえるわけです。
表面上は "致命的" な問題がないように動作していたとしても、水面下で潜在的な不具合の温床を作り出してしまう危険性がある点にはご注意ください。
このようなキャッシュの性格をふまえて、異なる2つのアプリケーションのキャッシュを共有化することの是非をご判断いただければと思います。
とりあえず以上です。的外れなことを書いてたらすみません。