横から失礼します。
電子メールのスレッド表示は、usa3usa さんが見当をつけられた通り、
References
In-Reply-To
という2つのメールヘッダがキーになっています。
これについては、メールソフトによって微妙に取り扱いが違います。
送信側の実情として、この2つのメールヘッダは返信時には付けることが望ましいものではありますが、「必須」ではないため、適正に付けてこないものがあります。例えば、返信に際し References だけが付き In-Reply-To を付けてこないものがあるなど、そのメールソフト固有の仕様に依存した部分がある、ということです。
ソフトウェアの仕様とは別にユーザーの運用方法として、ご質問にもあるように、まったく別内容の新規メールであるにもかかわらず、目についた過去のメッセージに対して「返信」で作成画面を開き、件名を書き換えて送信するユーザーもいます。その場合は普通に References や In-Reply-To が付くので、別内容のメールなのに、受信側では別件のスレッドに紛れ込むことになります。
受信側の立場でいえば、様ざまな仕様を持つ送信環境からのメールを受け取るわけですが、スレッド表示を実現する上でベースになるのが上記2つのメールヘッダであることは、ほぼ共通しています。
細部はメールソフトによって違いもあって、その他の項目(件名や日付など)を追加的に考慮してスレッド表示をするときの判断材料に使っているものもあります。Becky! Internet Mail のように、スレッドの「つなぐ」「切る」を操作する機能を持ったソフトもあります。
Thunderbird のスレッドの取り扱いは、少々古い記事ですが、次のサイトの説明がわかりやすいと思うので、参考にしてください。
(参考)・Thunderbird のスレッド表示まとめ - えむもじら
http://level.s69.xrea.com/mozilla/index ... _TB_Thread現在の Thunderbird では改良されているところもありますが、基本的な仕様は変わっていないはずです。
スレッドの編集については、「つなぐ」と「切る」があって、いずれも References と In-Reply-To を手作業で操作すれば何とかできるのですが、難易度が違います。
「切る」ほうは比較的簡単です。
あるスレッドに紛れ込んだ異なる内容のメッセージを、単純に切り離して独立させるだけなら、References と In-Reply-To の内容を消すか、そのヘッダ行自体を削除するだけで済みます。(ヘッダ内に空白行が残らないように注意!)
「切る」に比べると「つなぐ」ほうはちょっと難しいです。
前後のメッセージのつながりを判断しながら、スレッド内で希望する配置になるよう、References と In-Reply-To を書き足し、調整してやる必要があるからです。
スレッドの繋がりは一律ではなく複雑なケースもあり、内容的な繋がりと順序をユーザーが判断しなければならない場合もあります。
ひとつのメッセージを、あるメッセージの直下に配置するだけなら比較的容易ですが(Becky! の機能など)、複数のメッセージを選択してワンタッチでユーザーの希望通りのスレッド配置にするようなことは困難です。なので、そのようなソフトウェアやアドオンは見かけないのだろうと思います。
(補足1)
もし慣れなくて自信が持てないなら、最終的に変更したいスレッドにあるオリジナルのメッセージ群を、テスト用に作ったフォルダにコピーし、そこでアドオンを使ったメールヘッダの編集を練習してみることをお勧めします。
なぜなら、いきなり本番で使ってオリジナルのメッセージを破損させると、それを修復するためにより多くの手間がかかってしまうからです。
どのヘッダをどういじったらどんな結果になるのか、アドオンの持つクセなどを飲み込むのに役に立つと思います。まあ、「簡単・迅速」と「安全・確実」のバランスを意識していただければ、ということで...。
(補足2)
Thunderbird は、新しいメッセージを受信したり、削除したり、移動したりといった変化が本体のデータに起こるごとに、その変更内容を要約ファイル(*.msf)に反映させます。
スレッドペイン(右上の窓)に表示されるメッセージ一覧は、この要約ファイルを読み込んでいます。
アドオンを使うなどして本体データに対してメールヘッダを変則的に書き換えた場合、とくにスレッド表示のように、書き換えたメッセージだけでなく前後のメッセージとの関係をふまえて表示されるものは、要約ファイルへの反映が適正におこなわれない場合があります。このようなときは、要約ファイルの更新を手動でおこなってみてください。フォルダを選択して右クリックから [プロパティ] で開くダイアログにある [フォルダを修復] ボタンで実行できます。
(補足3)
meeyar さんからご紹介があった TotalMessage 以外にも、メールヘッダの編集を手助けしてくれるアドオンがあります。
(一例)・Header Tools Lite
https://addons.mozilla.org/ja/thunderbi ... ools-lite/スレッドペインの下、メッセージペインの上部にあるヘッダビューには影響せず、選択したメッセージを右クリックで開くメニューの [Header ToolsLite] から使うあたりが TotalMessage とは違いますが、選択したメッセージのメールヘッダを書き換える機能を提供してくれるところは同じです。
[ソース編集] は強力なので、使うときは注意してください。
スレッドから分離したいメッセージが少数なら、アドオンをまったく使わないでメールヘッダを書き換える方法も使えるでしょう。
概要はこうです。
分離したいメッセージを eml ファイルで保存し、それをテキストエディタで開いて当該ヘッダを編集・保存。それを再び Thunderbird に取り込むことで、分離したメッセージを作れます。取り込み後のメッセージが Thunderbird 上で正常に読めることを確認したら、その元となったメッセージを削除すれば、スレッド内から消えます。
メールヘッダをうかつに操作すると深刻な問題を呼び込んでしまうことがあるため、慎重さを期してあれこれ書かせていただきました。
すでにご存知のことならくどくなって申し訳なかったですが、参考にできるところがあれば活用してください。
とりあえず以上です。