(はじめに)起こっている現象が似ていても、原因が同じとは限りませんし、原因が異なれば解決方法も変わってきます。異なる内容の話がひとつのトピックに混在すると、情報の錯綜が生じやすく、トラブル解決の事例としても混乱を招きやすくなります。
(注)
元の質問は、[ローカルフォルダー] の [ごみ箱] の実体 Trash ファイルが消えることでした。今回はあるアカウント配下の [ごみ箱] の問題で、Trash ファイル自体が消えるわけではなさそうな点で、すでに事情が変わっています。
過去のトピックにぶら下がりで質問するのではなく、新規に質問トピックを建て、そこに関連する過去トピックを引用しておくほうが、的を絞ったやりとりが合理的に進められます。
今回はこのまま続けるしかないと思いますが、今後はお気をつけください。
【本題】引用:
突然Thunderbird(PC版)のゴミ箱が消える現象が起き困っています。
・その「ゴミ箱が消える現象」が起こっているアカウントは、IMAP ですか、POP ですか。
・文面からそうだとは思いますが、そのアカウントのメッセージ格納形式は mbox 形式ですよね。以下はその前提で考察します。
・複数のアカウントを設定しておられる場合、特定のアカウントだけで起こっている問題ですか。複数のアカウントで発生していますか。
引用:
<環境>バージョン 60.9.0 (32 ビット)Windows7 Pro 64bit memory 8GB以上、
Windows 向けの日本語版 Thunderbird の場合、標準的には [ごみ箱] と表示されるはずです。
通常、[ゴミ箱] という表示は Mac 版のものです。言語ファイルを変更するなど、何か特殊なカスタマイズをおこなっておられたりしますか。
単に変換ミスや思い違いならかまわないのですが、最初の質問文が「ゴミ箱」の記述で一貫しているため、念のため確認させていただきます。
(基本的な視点)
一般に、[ごみ箱] や [受信トレイ] 、[送信済みトレイ] 、[下書き] などの標準フォルダーは Thunderbird 上で [削除] メニューが効きません(表示されないかグレーアウトされています)。したがって、Thunderbird 上で操作を誤って削除する、といったことはできません。
原則的には、Thunderbird のフォルダーペインに表示される内容は、プロファイルフォルダー内にあるアカウントフォルダー配下のファイル構造を反映したものです。あくまで主体はプロファイルにあり、その状態をユーザーがわかりやすい形で表示しているのがフォルダーペインです。(そのバリエーションとして [統合フォルダー] 表示などがあります。)
[ごみ箱] などの標準フォルダーが意図せず消えるトラブルは、実体ファイル( [ごみ箱] なら Trash ファイル)が直接消されるなど、ほとんどの場合プロファイルの異常として発生します。(本トピックの大本の質問内容も、Trash ファイルの消滅でした。)
しかしごく稀に、プロファイル内の実体ファイル群の状態は正常なのに、フォルダーペインの表示だけがおかしくなることがあります。
引用:
(受信したメールの削除は行えます)
プロファイル内から Trash ファイルが抹消されたことで Thunderbird 上から [ごみ箱] が消えたのなら、普通はメールの削除もできなくなります。
実際、
引用:
Thunderbirdのプロファイルフォルダーにある"Trash"および"Trash.msf"ファイルを削除し、
とのことなので、Thunderbird 上に [ごみ箱] が表示されていなくても、その時点のプロファイル内に Trash ファイルは存在していると推測できます。だからこそ、「(受信したメールの削除は行えます)」なのでしょう。
引用:
フォルダーリストでアカウント名を右クリックし、[新しいフォルダー]を選択、フォルダー名に「Trash」と入力し、フォルダーを作成 ボタンをクリックでゴミ箱を再作成しようと試みるも「その名前のフォルダーはすでに存在します。…」のメッセージが出て作成できません。
という事情も、上記を裏付けていると考えられます。
(考えられる可能性)
上記の状態から考えると、本件の焦点は、実体ファイルは健在なのに、Thunderbird のフォルダーペインに [ごみ箱] フォルダーが表示されない、という点にあると思われます。
この場合、考えられる可能性のひとつは、panacea.dat や folderTree.json など、フォルダー構造とその表示に関するキャッシュデータの問題です。
引用:
Thunderbirdのプロファイルフォルダーにある"Trash"および"Trash.msf"ファイルを削除し、再度上記手順で「Trash(ゴミ箱)」が作成し、ゴミ箱フォルダは復活するのですが、PCやThunderbirdを再起動するとゴミ箱が消えており、上記繰り返しとなってしまい困っています。
この手順の中で、「プロファイルフォルダーにある"Trash"および"Trash.msf"ファイルを削除」するとき、Thunderbird を完全に終了させた状態で実行なさっていますよね。
Thunderbird を起動したまま、「"Trash"および"Trash.msf"ファイルを削除」すると、フォルダー構造の表示に狂いを生じさせる危険性があります。panacea.dat や folderTree.json などに矛盾を生じさせる確率が高くなるからです。
一番最初に [ごみ箱] が消えた原因は今ある情報だけではわかりませんが、もしも修正作業の中で、Thunderbird を起動したままプロファイル内の「"Trash"および"Trash.msf"ファイルを削除」していたとしたら(何度も?)、その操作が以後の「PCやThunderbirdを再起動するとゴミ箱が消えており、上記繰り返し」を作り出した原因になった可能性はありえます。
もうひとつ考えられるのは、フォルダーペインの表示や並び順などに作用するアドオン(拡張機能)を使っていて、それが動作不良を起こしている可能性です。
こちらは、しばらく Thunderbird を「セーフモード」で起動して使ってみて、[ごみ箱] が消える現象の出方を観察することで、原因を絞り込んでいけるかもしれません。あるいは、心当たりのあるアドオンがあれば、それだけを無効化して Thunderbird を動かしてみてもいいと思います。
(操作手順の一例)
アドオンの影響ではなく Thunderbird 単体のトラブルであれば、Thunderbird 上から Trash 名の新規フォルダーを作るよりは、Thunderbird を確実に終了させた状態で、プロファイルフォルダー配下にある目的のアカウントフォルダー内から既存の「"Trash"および"Trash.msf"ファイルを削除」し、そのままテキストファイルを新規作成して名前を Trash(拡張子なし)に変更するほうが、対処法としての一貫性・確実性は高いと思います。
合わせて、すでに本件のような状況に陥っているケースでは、panacea.dat と folderTree.json を削除(またはプロファイルフォルダー内から別の場所に移動)するのが、トラブルシューティングの手順としては理に適っているんじゃないかと思います。
そのあと Thunderbird を起動すると、作成した Trash ファイルが新しい [ごみ箱] として認識され、この段階で Trash.msf が自動生成されます。フォルダー構造のキャッシュもリフレッシュされます。
それでも問題が再発するなら、ウィルス対策ソフトなど他のプログラムの干渉という可能性が、視野に入ってくると思います。
(補足)
引用:
Thunderbirdをアンインストールし、再インストールするのは過去のメールが消えたり設定が変わってしまうのではないかと思い踏ん切れずにいます。
ごく普通にアンインストール・再インストールを実行する限り、既存のプロファイルが消されることはありませんが、安易にアンインストール・再インストールを実行なさらなかったのは賢明だと思います。
明らかに Thunderbird のプログラム本体に異常が起こっているのでない限り、アンインストール・再インストールでプロファイルの問題が解決するケースはまずありません。むしろ、ユーザーが実行した方法によっては、既存のプロファイルに起こっている障害を悪化させてしまうケースもあります。とくに、根拠なくおこなうダウングレード(バージョンダウン)は、既存のプロファイルに致命的な障害を招き寄せる原因になりえます。
("ダウングレードするな" ではなく、"やるなら相応の理解の下に実行する必要がある" ということです。)
今後のためには、こちらの公式サポート記事に目を通しておくことをお勧めします。
(参考)
・Thunderbird のプロファイル | Thunderbird ヘルプ
support.mozilla.org/ja/kb/profiles-where-thunderbird-stores-user-data
とりあえず以上です。的外れな話になっていたらすみません。
(おことわり)
現在、健康上の制約により不定期な書き込みしかできなくなっています。すぐに応答できない場面がかなり多くなりますことを、ご容赦ください。