続報です。
v57(Firefox Quantum)の概要は
「Mozilla Japan コミュニティ」~Mozilla, Firefox, Web 技術などの最新情報をお伝えします~での
https://medium.com/mozilla-japan/firefox-quantum-beta-developer-edition-b1f17a4c61d4が参考になります。
Mozilla 製品は、
通常版、ベータ版(プレリリース版)、Developer Edition(ウェブ開発者向け)、Nightly(開発プロジェクト版) などが利用できます。
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プレリリース版でブラウザーの新機能を試そう | Firefoxここ 2週間ほど、
① Waterfox 55.2.2 (64 ビット)
② Firefox Quantum (ベータ版 57.0/64 ビット)
③ Firefox Developer Edition 58.0b1 (64 ビット)
を併用しながら実装品の拡張機能について、動作検証を行っています。
◆使用環境:Windows 8.1 64-bit(Intel Core i3 3227U @ 1.90GHz/4.00GB シングル-Channel DDR3)の Ultrabook
Windows タスクバーには、Compact Tray Meter と Process Explorer 64 を常駐させ、リアルタイム監視。
その「実装品」についての不具合や、作者の動向に関する考察です。ア、「旧式」として無効化された拡張機能
◆内訳は、下記の添付ファイル(スクリーンショット)の 14 アイテムです。
「旧式」として無効化された拡張機能.png◆「絶版」確定品は、既に Remove(削除)済です。
◇ 魚拓ツールの愛用品 Mozilla Archive Format, with MHT and Faithful Save(MAFF) は、その代用品として Save Page WE を実装しましたが、MAFF は可逆圧縮するため、そのファイルサイズの差が「桁違いに甚だしく」大いに不満です。MAFF の使い勝手、パフォーマンス、Quality は比類なきもので、その代わりになるものは見当たらず、Waterfox を併用する動機になっています。
◇ Self Destructing Cookies は、Cookie AutoDelete が代用品です。
◇ Beyond Australis(Hide 機能による自動の全画面化) は、「F11」Key(手動の全画面化)で代用です。
などなど。
◆この内訳には、絶版未確定(動向不明)分も含まれます。
◇ Easy Copy(タブのタイトルや URL の右クリックコピペ機能)は、FoxyTab に類似機能が備わっているので、それで我慢することにしました。(FoxyTab には、タブカウンター機能など拡張機能が豊富なので重宝はしますが・・・。Easy Copy では、ページ内ならばどこで右クリックしても機能しますが、FoxyTab では「タブ」上でのピンポイントでしか機能(有効化)しないため使い勝手が悪く、しかもプルダウンメニューがツリーの階層になっており、順にたどる手間がかかり面倒です。これならば、URL のコピペは、アドレスバーから直接コピペした方が効率が良い。
※ API の制約で、特定のページでは「ページ上のものをコピペできない」ように、意図的に仕組まれていることが主因で、アドオン開発者の所為ではありません。
◇ Secure Login (Embedded WebExtension) は、実状は(Firefox Quantum からは、
HOOK の制限があるため)互換不全で、無効化されてしまいます。KeePass Password Safe 2.37 と連携させているので様子見です。
◇ ブックマークを新しいタブで開く (Open Bookmarks in New Tab)、リンクを新しいタブで開く、ロケーションバーから新しいタブを開く/いずれも同一作者:
Piro (piro_or) さんのアイテムですが、Quantum での「
UI」刷新のため、発展的廃版を選択したようです。
なお「新しいタブで開く」は、他の作者から WebExtension 版が公開されており、それを実装しました。
◆現状では、旧式ながらも「WebExtension」仕様を開発中のものは、
◇ Video DownloadHelper が、7.0 を開発中との告知がされていました。
イ、「実装」可能品での考察
◆同様に、30 アイテムです。
「実装」できた拡張機能~2-1~.png「実装」できた拡張機能~2-2~.png◆その実情では、
◇ Dark Background and Light Text 0.6.0 を「Enabled」での運用時、(HOOK 制限のある)特定のサイト(アドオンマネージャ-など)を開くと同時に、CPU 負荷と RAM 消費量が跳ね上がり、PC がハングアップ(応答中)し、フリーズ(固まる)してしまうことさえあります。
作者のホームページを確認したところ「その issue(改善すべき問題点)を認めており、しかし、Mozilla の API の制限により現状では解決不可能で、API の見直しがなければ展望が開けない」との嘆き節が吐露されていました。このアイテムは、サイト別の設定が可能なので、試行錯誤していますが四苦八苦です。愛用品なので、Remove せずに default(起動時の状態「設定」)を「Disabled」にし、腫れ物に触るようにお付き合いをしています。
旧式をサポートする Waterfox では、旧式の Dark Background and Light Text 0.5.13 が(現状の選択肢では)最適です。
◇ S3.Google Translator については、Waterfox の場合ならば、旧仕様(XUL 規格)の「5.35」の方が多機能でありパフォーマンスも秀でています。
◇ 同様に、uBlock Origin も Waterfoxでは旧仕様の「1.13.8」が最適です。
◇ 総じて、WebExtension 仕様は「API」の制約によって、拡張性と使い勝手がスケールダウン(粗品の様な役回り)している感じです。しかし、拡張機能の魅力は普遍であり、「無い物ねだり」ではなく「どう活用するか」の観点で、応援していきたいと感じました。
ウ、「テーマ」については
眼精疲労対策と省電力化の観点で、全面「黒」での画面を好んでいます。
その目的に適った「FT DeepDark」を愛用していますが、未対応(開発を検討中と表明していたが、断念に傾いているよう)です。
やむを得ず、バックグラウンドの既定値設定を「黒」に変更し、且つ、Black by MaDonna (作者:
MaDonna) を代用していますが、あちこちに白抜き箇所(HOOK 制限箇所)が生じ、中途半端感は否めません(テーマの標準仕様:Dark よりは優れています)。
Waterfox ならば、FT DeepDark 14.4.7 を実装できます。
【締め括り】:Firefox Quantum について● Firefox が実現していた「拡張性」や「パーソナライズ」の自由度、「パーソナル・コンピューター」としての本質的な汎用性は、変容しました。恐らく、戸惑いを覚えるユーザーやアドオン開発者は少なくないと思われます。
Mozilla もその自由度と汎用性の観点を重視していたため、慎重な分析(リサーチ)と構想力(先進性)、大胆な判断(英断)の下での方向性(事業構想)です。もはや、ユーザーに「賛否」の選択肢は存在しません。
●「Mozilla」は、パワーユーザーや哲学(非営利、ユーザー本位、オープンソースプロジェクト)に共鳴しているユーザーには好まれていますが、実ユーザーの大半を占めるエントリーユーザーやビギナーユーザーにとっては「使いこなすことが容易ではない」ようで、離反している傾向が顕著に感じられます(周囲の大方は、次第に、簡単・お手軽・便利な「Google」に移行していきます)。
● 老若男女、スキルを問わず、万人に支持される「存在」であるべきで、リーディングカンパニーの観点が求められています。
Mozilla だからこそ、ユーザーから信頼される事業(透明性と誠実さ)が実現できます。需要に応え、需要を創造するためのプロジェクトが Quantum なのでしょう。
● 実際に、その新ブラウザ(②、③)を使い、使い続けてみるほどに、
先進的で革新的なパフォーマンスを実感しており、「得心が行くもの」であり、ブラウザの先進性(リーディングカンパニー)と将来性(Mozilla の確固たるブランド価値)の感触も得ました。
● 感じ方は、使い方や嗜好もあり、十人十色です。「旧仕様」からの転換を受け容れづらいユーザーには、幸いにも Waterfox の選択肢も残されています。
「好むか好まざるか」ではなく、Firefox Quantum によって実現できた「目覚ましい高性能ぶり」と「将来性」を評価したいとの思いです。
以上、私見です。
あくまでも「主観」なので、ご参考まで。
※「Mozilla ユーザー」や「Mozilla 支持者」を増やしていきたい(少なくとも離反するユーザーをなくしたい)との思いです。
そのためにも「ビギナーユーザーやエントリーユーザー」に寄り添い、ユーザー層の拡大とボトムアップを図っていくことは大切な観点です。
当コミュニティーは、エンドユーザーの互助によるフォーラム(掲示板)ですが、その「一助になる存在」でありたいとの思いです。