※質問するときは、「フォーラムの利用に関するご案内」、とりわけ「質問するときは」に目を通し、OS の種類や Thunderbird のバージョン、アカウントは IMAP か POP かといった使用環境についての最低限の情報を書き添えることをお勧めします。TEPEI さんが書きました:
本来であればThunderbirdのバージョンを示すのが礼儀と思いますが、多数のバージョンを併用しているため省かせて頂きます。
ご事情はわかりますが、メインで使っているシステム環境や Thunderbird のバージョンなど、モデルケースといいますか、足掛かりになる程度の情報をご提示いただけるとありがたいです。モデルケースでの対策にたどり着ければ、あとはユーザーが個々の環境条件に応じて対処していただくことになります。
アドオンは、Thunderbird のバージョンによって対応・非対応が変わってくるものがありますし、特定の OS 向けのアドオンもあります。
【本題】ご存知のように、メールクライアントにおけるメッセージの印刷は任意の動作であり、どのメッセージを、何部、何回、どの範囲を印刷するかといったことは、ユーザーの判断によって様ざまに変化します。印刷したかどうかは、電子メールのデータ処理としては本筋ではないので、「返信」や「転送」、「既読/未読」など電子メール固有の動作のように、メールヘッダに記録が追加されることもありません。
また印刷は、メールクライアント内で完結した機能ではなく、外部プログラムであるプリンタドライバにデータを引き渡すことで実現されます。
こうした点をふまえていえば、印刷という動作に対して自動的にその結果をメッセージごとに記録するような機能は、Thunderbird にはありません。
探せばそういうアドオンがあるのかもしれませんが、そのような機能を幅広いバージョンの Thunderbird にストレートに提供してくれるものは、個人的には存じません。
ただし、工夫の余地はあります。
日常的におこなっておられる印刷方法には馴染まないかもしれませんが、参考になるかもしれませんから、概要を紹介しておきます。
〈メッセージフィルタを使った印刷とタグ付け方法〉印刷の実行をメッセージフィルタ経由でおこなうことで、フィルタ動作のひとつとして印刷済みのタグを付けることができます。
これには、FiltaQuilla というアドオンを使います。
https://addons.mozilla.org/ja/thunderbi ... ltaquilla/FiltaQuilla を導入することで、メッセージフィルタの動作として [Print] を選択できるようになるのがポイントです。
(A)FiltaQuilla の導入Thunderbird に FiltaQuilla をインストールし、フィルタの動作(Filter Actions)として [Print] を使えるようにしておきます。
(B)タグの新設[オプション] -> [表示] -> [タグ] から、次の2つのタグを作っておきます。
・[済み]
・[印刷]
ひとつのメッセージに複数のタグを付けた場合、表示色は上に位置するタグが優先されます。そのあたりを意識して、[印刷] と [済み] の配色と位置関係を設定してください。
名称、配色等は好みによって変えられますが、メッセージフィルタの条件指定と矛盾しないようにしてください。
(C)メッセージフィルタの条件設定(上記のタグ名を前提に)
[フィルタの設定] の画面で、次のような設定を施します。
[フィルタ名] は任意の名称でかまいません。
[フィルタを適用するタイミング] は、[手動で実行する] にだけチェックをつけます。
[すべての条件に一致] を選択し、条件は次の2つを設定します。
[タグ] - [に次を含む] - [印刷]
[タグ] - [に次を含まない] - [済み] …… この条件付けが重要
[以下の動作を実行する] は、次の2つを設定します。
[Print] …… FiltaQuilla の機能
[メッセージにタグを付ける] - [済み]
これで設定は完了です。
〈印刷の実行〉プリンタ側および Thunderbird の印刷設定は事前にすませてあるとします。
フォルダ(例:[受信トレイ])に存在する、印刷したいメッセージに対し、[印刷] のタグを付けます。
そのメッセージを選択して [メッセージにフィルタを適用] を実行すると印刷が実行され、同時に [済み] のタグが付加されます。
印刷後は、[印刷] [済み] の2つのタグが付いた状態になります。
タグに色付けをしていれば、[スレッドペイン] で [印刷] または [済み] の状態を色で確認できますし、[メッセージペイン] 上部の [ヘッダビュー] でも確認可能です。[クイックフィルタ] を使い、[タグ] を基準にフォルダ内のメッセージを絞り込むこともできます。
(参考)・Thunderbird の各部位の一般名称
http://meitner.jimdo.com/2015/07/03/thu ... erence-01/とはいえ、必ず1通ずつしか印刷しないのなら、アドオンやメッセージフィルタを使わず、そのつど [印刷済み] のタグをつけて普通に印刷しても、大差はありません。
この方法が本領を発揮できるのは、複数のメッセージをまとめて印刷するときです。
印刷したい複数のメッセージに [印刷] タグを付けた上で、[フォルダにフィルタを適用] を実行すると、そのフォルダ内に存在してフィルタ条件に合致するメッセージ群が自動的に印刷されます。
過去に印刷して [済み] タグが付いたメッセージは、上記のメッセージフィルタ条件には合致しないので、[フォルダにフィルタを適用] では印刷されません。新規に [印刷] タグだけを付けたメッセージが印刷対象になります。([済み] タグが付いたメッセージであっても、通常の手順による再印刷は可能です。)
[印刷] や [済み] タグを解除すれば初期条件に戻すことができますから、タグ付け条件とフィルタ条件を組み合わせれば、印刷動作をコントロールできるでしょう。
(メリット)
印刷を実行したメッセージに [済み] タグを自動的に付けられるので、実際に「印刷したかしていないか」を識別しやすくなります。
[印刷] タグを付けることで印刷候補としての条件を事前に付与しておけるので、あとでまとめて印刷するという使い方に向いています。
アドオンは対応バージョンの範囲が比較的広い FiltaQuilla を使い、あとは Thunderbird の素の機能を組み合わせて動作の仕組みを作っているので、バージョンの異なる Thunderbird で同じ動作を実現できる可能性は高いと思います。(おまけ的に、FiltaQuilla はメッセージフィルタの機能を拡張してくれるので、ほかにも応用の幅が広がります。)
(デメリット)
最初に [印刷] タグを付ける分、ひと手間増えます。(上述のように、「印刷したい」というユーザーの判断を明示的に指示する行為だと考えれば、妥協の範疇には納まるかと思います。まあ、[後で送信] のような感じですね。)
印刷手順が、メッセージフィルタ経由に変わることに慣れる必要があります。
メッセージごとに印刷オプション(プリンタの選択、印刷部数や用紙、ドライバの設定など)を頻繁に変更する、といった使い方には向きません。
(その他)
メッセージフィルタが希望どおりに動作することを、必ず事前にテストしてください。
メッセージフィルタのツールバーボタンを追加するタイプのアドオンを併用すれば、フィルタ実行(=印刷実行)をボタンで操作できるかもしれません。
ほかにも工夫の余地はあると思いますから、OS と Thunderbird のバージョンの組み合わせ等の諸事情およびご自身のニーズに合わせて、適宜調整してください。
できるだけ汎用性を意識して述べたつもりですが、ご希望にそぐわない内容だったらすみません。