※質問するときは、「フォーラムの利用に関するご案内」、とりわけ「質問するときは」に目を通し、OS の種類だけでなく Thunderbird のバージョン、アカウントの種別(IMAP か POP か)、併用したアプリケーション(MozBackup)のバージョンといった、使用環境についての最低限の情報を書き添えることをお勧めします。【重要な注意点】
最初から厳しい言い方になって恐縮ですが、とても重要なことなので申し上げておきます。
その程度にもよりますが、「pcが不調になった」ということは本来の正常な動作が期待できなくなっていることを意味します。
バックアップというものは、正常な状態のときのデータを複製しておくことが基本です。
異常が起こってから慌てて取った "バックアップ" は、バックアップ元のデータがすでに損傷していたり、バックアップソフトの動作が不安定になったりと、正常稼働時にはないリスクをともなうことがあるため、いつも以上に注意が必要です。
最悪の場合、MozBackup で取ったはずの "バックアップ" の中身に欠損が生じていれば、正常な復元は望めないことになります。
やっちゃん さんが書きました:
pcが不調になったため、moz backupでバックアップをとり、同じくwindows7 64bitで復元したところ、一部のアカウントのみしか復元されませんでした。
不調になった PC と、「同じくwindows7 64bit」と仰っている PC は、別のものですか。それとも、同一 PC で OS を再インストールしたとか、プロダクトリカバリをかけたといった条件ですか。
この違いによっては、あとの対処が変わってきます。
やっちゃん さんが書きました:
これまでずっと使っていたアカウントは復元されましたが、2年前以降に設定したアカウントの復元がされず、なぜか削除した数年前のアカウントが復元されています。
アカウント情報は、プロファイル配下に保存されています。MozBackup はプロファイルを単位にバックアップを実行します。
(参考)・Thunderbird のプロファイル | Thunderbird ヘルプ
https://support.mozilla.org/ja/kb/profiles-thunderbirdバックアップを取れたとユーザーが思っても、次のような場合は希望どおり復元できないことがあります。
(a)複数のプロファイルを使っていて、バックアップすべきプロファイルを間違えたとき。
(b)プロファイルの選択に間違いはなかったが、バックアップする細目の取捨選択を間違えたとき。
(c)バックアップ対象のプロファイルがすでに破損していたとき。
(d)バックアップ対象のプロファイルは正常だったが、バックアップ実行時に MozBackup の動作に問題が発生したとき。
(e)バックアップは正常に確保できたが、復元操作を間違ったか、復元時に MozBackup の動作に問題が発生したとき。
やっちゃん さんが書きました:
thunderbird、moz backupともに削除して再インストールした上で再度復元を試みましたが、同様でした。
これは、復元先(「同じくwindows7 64bitで復元」)での話でしょうか。
もし、バックアップ元(「pcが不調になったため」)の PC で、すでにプロファイルが破損していたか、MozBackup の実行時に問題が起こっていた場合、正常なバックアップが確保できていないことになりますから、復元先で Thunderbird や MozBackup の再インストールをしても、ほとんど無意味です。
やっちゃん さんが書きました:
解決策があればご教授よろしくお願いします
もし、不調になった PC がまだその状態のまま存在するのなら、バックアップ元になったプロファイルの状態を確認してみてください。
POP アカウントなら
%APPDATA%\Thunderbird\Profiles\xxxxxxxx.default\Mail\
IMAP アカウントなら
%APPDATA%\Thunderbird\Profiles\xxxxxxxx.default\ImapMail\
に、送受信したメッセージを保存してあるアカウントごとのフォルダが存在しますから、過不足などを確認してみてください。
アカウント情報自体は、prefs.js という Thunderbird の設定の中枢を担うファイルの中に保存されてします。
prefs.js の設定内容と、上記のメッセージ保管場所の整合性が保たれていることで、バックアップと復元を正常におこなえます。prefs.js の中身を精査するのは敷居が高いので無理に調べなくてもかまいませんが、複数のファイル・フォルダが連携してアカウントが成り立っていることは理解しておいてください。
仮に、Mail や ImapMail フォルダ内にアカウントごとのフォルダ/ファイルが期待どおりに存在しない場合、メールデータそのものが失われたことを意味します。
prefs.js 内のデータに損傷がある場合は、アカウントそのものは表示されませんが、Mail や ImapMail フォルダ内にデータが残っていたら、復旧には希望が持てます。
MozBackup でバックアップしたプロファイルは、「Thunderbird XX.Y.Z - yyyy-mm-dd.pcv」のような形で書庫としてまとめられていると思いますが、これは 7-Zip などのアーカイブソフトで中身を閲覧したり、展開することができます。拡張子を zip に変更すれば、Windows のエクスプローラでも中身を扱うことができます。
バックアップした中身にオリジナルとの相違点(構造、種類、容量など)があるかないか、上記のプロファイルと比較することで確認できると思います。
その結果、
(i)元のプロファイルですでに問題が起こっていたのか。
(ii)バックアップ時に問題が起こったので正常なバックアップを取れなったのか。
(iii)バックアップは正常だったが、復元時に問題が起こって失敗したのか。
―― を、おおかまには切り分けられるのではないでしょうか。
実際にどの段階でどのような問題が起こっていたかによって、失われたアカウントの復元は困難なこともありますし、比較的簡単に復元できることもあるでしょう。
上述の諸点をふまえ、確認できた内容を追記していただけると、他のユーザーさんから次のステップについてのアドバイスが寄せられるかもしれません。
(補足)
プロファイルを直接確認できるのなら、手動で移行処理をおこなったほうが、トラブル遭遇率が小さくてすむかもしれません。PC の引っ越し等にともなう Thunderbird のプロファイル移行については、このフォーラム内を検索しただけでも参考になる事例がたくさんヒットするはずです。
とりあえず以上です。的外れな話だったらすみません。
(おまけ) MozBackup 利用時の注意点
MozBackup は、Thunderbird や Firefox のプロファイルを簡単にバックアップ・リストアできるので、人気が高いソフトウェアです。
しかし、現在の最終バージョンである 1.5.2 Beta 1 が出たのは 2012 年 5 月(日本語版は同 6 月)で、それ以降は更新されていません。Thunderbird のバージョンでいうと 12.0 ~ 13.0 のあたりで止まっています。
Thunderbird は、Firefox ほどではないにせよ、それ以降もバージョンアップは続いていて仕様変更や機能の追加・削除といったことがおこなわれ、プロファイル内のファイル構成にも変化があります。例えば、Thunderbird 31.0 まではパスワード情報を保存するファイルは signons.sqlite でしたが、38.0 以降は logins.json に変更されています。
こうした Thunderbird 本体の変化に対し、MozBackup がどこまで対応できているか、ユーザーが適切な操作をできているかが、成否の分かれ道になります。
一般的には、プロファイルを丸ごとバックアップする分には問題ないと思いますが、細目を調整するときは注意が必要になってくるでしょう。(未知のファイルを総なめでバックアップするほうが、過剰な部分があってもあとでつぶしはききます。)
また、MozBackup 自体のバグ、または MozBackup を実行するユーザー環境に内在する不具合によっては、MozBackup が期待どおりに動作しない可能性もありえます。
MozBackup のようなツールを使うのは利便性や効率性を求めてのことですが、ツール自身とその実行に関わる潜在的なリスクにも意識を向けておかないと、思わぬ失敗をすることがありますから注意してください。とりわけ、すでに PC にトラブルが発生している状態では、できる限りシンプルな手順による手動操作でプロファイルを確保したほうが、問題は少ないだろうと思います。