KK2 さんが書きました:
クライアント会社が経営統合したので、アドレス帳内に登録している複数人の会社名を一括して変更したいと思いましたが、
複数アドレスを選択して右クリックでコンテキストメニューを表示しても、プロパティが選択できず（複数アドレスを一括編集できず）困っています。
Tunderbird のアドレス帳では、登録されたアイテム（連絡先）ごとに [連絡先の編集] を開いて追加・削除・修正などの編集作業をおこなう方法しかとれません。
おそらく、アドレス帳に登録された連絡先情報をテーブルで一覧表示し、その中から特定項目の特定文字列だけを一括置換するようなことを期待なさっているのかと想像しますが、そのようなことは残念ながらできません。
KK2 さんが書きました:
1 何らかの方法で、複数アドレスを同一内容に一括変更することは出来ますでしょうか（たとえば会社名や住所などは纏めて流し込みたいのです）
上述のとおりです。
Thunderbird の標準的な動作では、一括変更は難しいと思います。
強いていえば、アドレス帳の実体である mab ファイルを確実に取り扱える自信があるのなら、mab ファイルを直接編集するという手がないわけではありません。
しかし、mab ファイルはテキストファイルであるとはいえ、中身は mork 形式という極めて特殊なフォーマットで書かれているので、テキストエディタで手軽に編集する、というのは至難の業だと思います。
KK2 さんが書きました:
2 出来ない場合、CSV書き出ししてインポートエクスポートするしかないのでしょうか（結構手間でやりたくないというのと、たまに文字化けしますし、単純にインポートすると同じアドレスが増えていく）
いちばん現実的な方法だと思います。
単純な、エクスポート -> 編集処理 -> インポートさえも、「結構手間でやりたくない」というお話なら仕方ありませんが、安全性・確実性を優先した移行方法ならひとつ知っています。（詳細後述）
KK2 さんが書きました:
3 もし簡単に編集できるサードパーティソフトウェア、もしくはアドオンがある場合、ご教示頂けると有り難いです
アドオンも、サードパーティ製ソフトも、残念ながらご希望を叶えてくれそうなものには心当たりがありません。
（詳細）
２の作業の概要は次のとおりです。
・現行プロファイルからエクスポートしたアドレス帳データを使い、会社名や住所などを希望通りに一括変更します。
・次に、移行作業用のプロファイルを追加作成し、変更済みのエクスポートデータをそこにインポートします。
・インポート後、アドレス帳が正常かどうかを十分点検し、大丈夫なら、移行作業用のプロファイルに生成されたアドレス帳ファイルをリネームし、現行プロファイルに持ち込みます。
一例として、「個人用アドレス帳」を対象とした具体的手順は次のとおりです。
（1）現行プロファイルにあるアドレス帳の実体ファイル群を、別の場所にコピーして、バックアップを取っておきます。
拡張子が mab のファイルです。デフォルトで存在する「個人用アドレス帳」は abook.mab 、「記録用アドレス帳」は history.mab です。
ユーザーが新規に作ったアドレス帳は、abook-1.mab 、abook-2.mab …… のような名前に、インポートしたものは impab-1.mab 、impab-2.mab …… のようになっています。
アドレス帳の上では、「顧客連絡先」「社内プロジェクト」などのアドレス帳名であっても、プロファイル内ではそのような名前にはなっていないことに注意してください。表示上の名前と、プロファイル内の実体ファイルの関係は、prefs.js という設定ファイルに記述されています。両者の整合性を崩さないことが肝要です。
（2）現行プロファイルで、「個人用アドレス帳」を対象としてエクスポートを実行し、いったん Thunderbird を終了します。
（注意）カンマ区切り形式とタブ区切り形式のエクスポートファイルと、LDIF 形式のエクスポートファイルでは、文字コードが異なります。日本語版 Thunderbird では、前者は Shift_JIS です。後者は UTF-8 で、日本語部分は BASE64 エンコードされています。このあとの作業では、文字コードの取り扱いに注意してください。
（3）カンマ区切りでエクスポートしたとして、そのファイル（CSV）をテキストエディタで開き、対象となる文字列を置換し、ファイルを保存します。
テキストエディタの検索・置換機能を使えば、一括変換もできるとは思います。
保存時の文字コードの取り扱いに注意してください。
（4）アドレスの移行作業用に、新しいプロファイルを追加作成します。アドレス帳が使えれば十分なので、アカウントは設定しなくてもかまいません。
新しく作ったプロファイルで Thunderbird を起動し、（3）で保存したファイルを対象にインポートを実行します。このとき、新しいプロファイルには impab-1.mab というアドレス帳の実体ファイルができるはずです。
（5）インポートしたアドレス帳を点検し、文字化けや項目のずれなどがないか確認し、問題なければ Thunderbird をいったん終了します。
（6）（4）で生成された impab-1.mab のファイル名を abook.mab に変更して、現行のプロファイルにある abook.mab と置き換えれば、（5）の作業結果が反映された「個人用アドレス帳」ができあがります。
移行作業用プロファイル内には既定の abook.mab があるので、そこでは impab-1.mab を abook.mab にリネームできませんから、適当に移動してからリネームしてください。
（7）複数のアドレス帳のエクスポート・インポートが必要なら、置き換え対象となるアドレス帳の照合に注意しつつ、上記をくり返してください。
完全に移行できたと確認がとれたなら、移行作業用プロファイルは削除してかまいません。
万一、問題が起こった場合は、（1）でとったバックアップを書き戻してやり直すことができます。
【重要】プロファイル内を操作するときは、必ず Thunderbird が終了した状態でおこなってください。Thunderbird が起動した状態のままプロファイル内をいじり回すと、思わぬトラブルを呼び込んでしまうことがあります。
この手順は、移行作業用プロファイルを作る分の手間はかかりますが、まっさらなプロファイルにインポートするので確実性が高く、もしトラブルがあっても既存のプロファイルには影響しないという、安全性に優れています。
また、既存プロファイルにインポートをおこなうとアドレスの重複が避けられず、あとから整理作業の手間が増えます。しかしこの方法では、移行作業用プロファイルの中で修正した内容の「個人用アドレス帳」を作り、完成した実体ファイルを現行プロファイルのそれと置き換えるため、重複なく置き換えることができ、後の整理作業の手間はかかりません。
「アドレス帳内に登録している複数人」の実数によっては、素直にアドレス帳の中で一件ずつ修正したほうが早いかもしれませんし、数が多ければ上記のような方法のほうが効率的なこともあると思います。
ビジネスの現場では、余計な作業は最小限にとどめたいというニーズがあるのは十分に理解できます。
同時に、間違いの起こりにくい方法で確実な結果を導く、というのも同じくらい重視されると思います。
そのあたりのバランスをどう考え、判断するかは人それぞれ、、場面にもよりますので、あとは KK2 さんのご判断次第です。
ご期待にそう内容ではないかもしれませんが、ぼくが知っていることを書かせていただきました。
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