横から失礼します。
WADA さんが書かれていることに関連して、以前同じような症状に遭遇しました。
そのとき試したことで、個人的に把握していることを参考までに書かせていただきます。
【概要】
ぼくがこの問題に気がついたのは、 Thunderbird 17.0.x ESR のころで、Thunderbird 10.0.x ESR では発生していなかったことを確かめています。
Bug 840418 でも触れられているように 11.0 から 12.0 のあたりに発生したバグかもしれませんが、当方の環境でテストした範囲では次のような発生機序を確認しました。
(環境条件= Windows XP SP3 (32bit) + Thunderbird 17.0.x ESR / 24.2.0)
【確認した流れ】
ある POP アカウントの [受信トレイ] に対し、右クリックから [プロパティ] -> [一般情報] -> [フォルダを修復] を実行したとき、[受信トレイ] 内に存在し既読になっていたメッセージのいくつかが [未読] になる現象に遭遇しました。
すべてのメッセージがそうなるわけではなく、[既読] のまま変化のないものと [未読] になってしまうものの違いがありました。なぜそうなるのかを確かめたくてテストを繰り返した結果、次のような手順で再現性を確認できました。
(1)これまで受信したメッセージを他のフォルダに移し、[最適化] を実行して試験環境として整えた [受信トレイ] に、複数のメッセージを受信しました。
スレッドペインでそれらがすべて [未読] の状態であることを確認した上で、フォルダペインで [受信トレイ] を選択して右クリックから [フォルダを既読にする] を実行し、スレッドペインですべてのメッセージが [既読] になったことを確認したあと、Thunderbird を終了します。
(2)メッセージデータの実体([受信トレイ] なら Inbox ファイル)をテキストエディタで開いて確認すると、すべてのメッセージの X-Mozilla-Status が 0000 となっていました。
しかし、再度 Thunderbird を起動して見ると、スレッドペインではすべて [既読] となってます。
(3)この状態で [フォルダを修復] を実行すると、これらのメッセージ群はすべて [未読] に戻りました。
| [フォルダを修復] は、メッセージデータの実体から要約ファイル(*.msf)を再構築するものですから、
| X-Mozilla-Status: 0000 になっている実体ファイルのステータスが msf ファイルに、
| ひいてはスレッドペインの表示に反映されたのだと考えられます。(4)[未読] に戻ったメッセージの半数を、スレッドペインで直接選択するか、右クリックから [マーク] -> [既読にする] を実行し
(a)、残った [未読] メッセージは再びフォルダを選択して右クリックから [フォルダを既読にする]
(b)で [既読] 化しました。
この状態でメッセージデータの実体をテキストエディタで開いて確認すると、ステータスは次のようになっていました。
(a)のメッセージ群 = X-Mozilla-Status: 0001
(b)のメッセージ群 = X-Mozilla-Status: 0000
スレッドペインではすべてのメッセージが [既読] になってはいますが、実体ファイルのステータスには明らかな違いがありました。
(5)さらに、この状態から再度 [フォルダを修復] を実行すると、(b)のメッセージ群だけが [未読] に戻り、(a)群は [既読] のままでした。
これらのことから、[未読] を [既読] にする方法はいくつかあるものの、少なくともフォルダの右クリックから [フォルダを既読にする] で [既読] 化したメッセージは、[フォルダを修復] を実行したとき [未読] に戻ることがわかりました。
| フォルダを右クリックしての [フォルダを既読にする] は、実体ファイルのステータスを書き換えず、
| msf ファイルだけを書き換えているように見受けられます。
| msf ファイルの Mork 形式を読み解く能力はないので、どこがどうとはいえないのですが、
| [既読] 化の方法の違いによって msf ファイルの内容にも差が生じているようでした。【追補】
新着の未読メッセージだけで起こる問題かどうかを確かめるため、次のような手順も試しました。
(i)どのような方法であれ一度 [既読] になったメッセージを、右クリックからの [マーク] -> [未読にする] で [未読] 化できます。
(ii)このとき、実体ファイルのステータスは X-Mozilla-Status: 0000 になります。
(iii)ここで [フォルダを既読にする] を実行すると、[未読] 化したメッセージのステータスは X-Mozilla-Status: 0000 のまま、スレッドペインの表示は [既読] になります。
(iv)この状態で [フォルダを修復] を実行すると、上記のメッセージが [未読] に戻ります。
【推測】
各メッセージのステータスを管理するのは、実体ファイル内の X-Mozilla-Status や X-Mozilla-Status2 なので、ここを適切に扱えない [フォルダを既読にする] の実行プロセスに不具合があるのでは、と思われます。
【本件の状況】
上記は、[フォルダの修復](= msf ファイルの再構築)がおこなわれた場合に発生する話です。
ご質問の件では、どのような条件下で発生しているのか今の時点では具体的なことはわかりませんが、[フォルダを既読にする] で [既読] 化されたメッセージが、[フォルダの修復] に相当する何らかの動作が自動的に実行されたタイミングで、この現象が発生しているのかもしれません。
【さしあたっての回避策】
[フォルダの修復] で [未読] に戻るケースにおいては、経験している範囲ではメッセージの消失といった深刻な実害はなく、ただ [既読] メッセージが不用意に [未読] に変化するだけの現象です。しかし、ユーザーにとっては不安材料になると思います。
この現象が起こったき、[未読] になったメッセージを全選択し、右クリックから [マーク] -> [既読にする] を実行して [既読] 化しておく(確実に X-Mozilla-Status: 0001 とする)ことで、少なくとも当方では再発を予防できました。
HiRO486831 さんのところで起こっている問題へのストレートな解決策ではないかもしれませんが、参考情報として書いておきます。的外れだったらすみません。