【前置き】(いちおう念のためです。)
ごく一般論ですが、Thunderbird 上のメッセージが "消えた" という現象には、いくつかの原因が考えられます。
問題の背景や起こり方によっては、復旧しようと Thunderbird をいじればいじるほど傷を深めてしまうことがあります。
たいていは単に "表示されなくなった" だけで復旧可能なケースが多いと思いますが、中にはハードディスクの障害など深刻なトラブルが背景にあるケースもあって、対応策を一概には論じられない側面があります。
なので、ご質問のような事例に限らず "消えた" 系のトラブルが起こったとき、原因の推測がまったくできず、しかしメッセージの保全には万全を期したいのであれば、あれこれいじる前に真っ先に現在のプロファイルをフォルダごと別のメディアにバックアップするのが賢明です。(日常的にバックアップしているのであれば、必ずしもその必要はありません。)
メッセージの復元を 100 %保証できるわけではありませんが、そうしておくことで、事態のさらなる悪化が起こったときにも "消えた" 、"見えなくなった" 直後の状態には戻せます。(被害をゼロにはできなくても、最小限にとどめることはできるという意味です。日常的にバックアップしていれば、さらにリスクを減らせます。)
【本題】
これまで、どのような運用方法で Thunderbird を使ってこられたのか、背景事情や経過にも左右される面があろうかとは思いますが、さしあたって一般的なことを書きます。
Thunderbird で受信したメッセージには実アカウントの情報が付与され、どの実アカウントに属するメッセージかが記録されています。
受信メッセージのソースを表示すると、X-Account-Key: account
N というヘッダがあるはずです。(
N は数字)
これにより、返信操作などでそのメッセージに対するアクションが命令された際に、当該アカウントの設定に従った動作をするようになっています。
各アカウントで受信したメッセージを、[ローカルフォルダ] に移動・コピーしたとしても、各アカウントをローカルフォルダに統合したとしても、これらの情報は保持されます。
一方、[ローカルフォルダ] にはアーカイブに関する設定項目はなく、それぞれの実アカウントにおける設定内容が動作に反映されます。
| [ローカルフォルダ] は特殊な擬似アカウントです。
| 見かけ上、実アカウントと同様に使えているように見えても、
| その動作はあくまで仮想的なもので、実アカウントとは異なります。
| 決して、実アカウントと "同じ" とは考えないでください。
このような仕様から、各アカウントにおける [アカウント設定] -> [<アカウント>] -> [送信控えと特別なフォルダ] -> [メッセージの保管] の各設定内容を初期値のまま変更していないのであれば、各アカウントで受信したメッセージはどこに移動・コピーしたとしても、元のアカウントの配下にアーカイブとして保管されます(標準状態では年単位のサブフォルダが作られます)。
模式的にいえば次のような感じです。
[アカウント A]
[アカウント B]
[アカウント C]
[ローカルフォルダ]
―― のようなアカウント構成で、
[アカウント A] で受信したメッセージ 「A-1」「A-2」「A-3」
[アカウント B] で受信したメッセージ 「B-1」「B-2」
[アカウント C] で受信したメッセージ 「C-1」
―― の 6 つが、ローカルフォルダ内のサブフォルダ(S)に移動・保存されていたとして、
[ローカルフォルダ]
└ (S) ― 「A-1」「A-2」「A-3」「B-1」「B-2」「C-1」
これらに対してアーカイブを実行すると、
[アカウント A]
└ [アーカイブ] ― 「A-1」「A-2」「A-3」
[アカウント B]
└ [アーカイブ] ― 「B-1」「B-2」
[アカウント C]
└ [アーカイブ] ― 「C-1」
のように振り分けられ(移動され)ます。(簡略化のため、年単位のサブフォルダなどは省略。)
この動作を理解していないと、複数アカウントから移動・コピーしてきたメッセージが混在してるフォルダをアーカイブ化したとき、一部のメッセージをユーザーが見失う可能性はあります。
実際にどのようなアカウント構成になっていて、それぞれのアカウントでアーカイブの設定がどうなっていたかを具体的に調べ、アーカイブ化を実行した時の基本条件を明らかにしないと、動作結果の良し悪しを判断することも難しいと思われます。
| 上記のような条件下で、[ローカルフォルダ] 配下に [アーカイブ] フォルダを生成して
| (S)内のメッセージを保管したいのであれば、アカウント A ~ C のアーカイブ設定を
| それぞれ [ローカルフォルダ] に対する内容に変更しなければなりません。
| あるアカウントをローカルフォルダに統合すると、
| そのアカウントのアーカイブの保存先は自動的にローカルフォルダ配下に設定されます。
| ただし、そのあとユーザーが不適切な変更をしていたりすると、
| どういう動作になるかはわかりません。
特殊な事情として考えられることがあるとしたら、(S)にメッセージを移動したあと、[アカウント B] を削除していたようなケースや、外部から直接ローカルフォルダにインポートしたような(X-Account-Key を持たない)メッセージでしょうか。
前者の場合、(S)内の全メッセージに対してアーカイブ化を実行すると、「B-1」「B-2」は行き場を失うと考えられ、こうしたメッセージは(S)内に留まるか、行方不明になるといったことが起こるのかもしれません。(経験したことも、テストしたこともないので、推測にすぎませんけど...。)
後者の場合は、既定のアカウントに設定されているアカウント配下にアーカイブされると思います。
他にも、アカウント構成を頻繁にいじっているような場合や、ローカルフォルダと実アカウントをどのように連携させて使っているかなど、設定内容、運用方法によっては予期しない動作が起こるかもしれません。つまり、プロファイルの情報に何らかの不整合が起こっていて、アーカイブ化の実行に際してそれが顕在化したようなケースです。
AM さんが書きました:
もし見えなくなったメールをもとのように見る方法をご存知であれば
上記のように、各アカウント内に散在してアーカイブ化されているであろうメッセージを探し出すことで問題が解決するならいいのですが、AM さんがこれまでおこなってこられた運用方法、事実経過、設定内容などがはっきりしないため、今の段階で断定的なことは申し上げられません。
別の視点からいえば、ローカルフォルダに作成されたサブフォルダに対し、その後(手動であれ、自動であれ)一度も [最適化] が実行されていないのであれば、ローカルフォルダのサブフォルダに 300 通ほどのメッセージがあった状態で復元できる可能性は残っていると思われます(あくまで「可能性」ですが)。
| この復元の可能性を低下させない意味からも、
| 少しでも早いバックアップの確保をお勧めします。
このあたりの方法は、AM さんのところの現状をもう少し具体的に把握した上で、ご案内できると思います。
| ぼくからでなくても、他の方がアドバイスくださるかもしれません。
直接的な解決法ではありませんが、とりあえず以上です。点検する上での参考にしてみてください。
ご質問の内容を読み取れていなかったらすみません。