横から失礼します。
基本的には meeyar さんのアドバイスに全面同意です。
要点は2つ。
・HTML 形式でメールを作成するなら、取り消し線を付けることは可能。
・受信側が HTML 形式での表示をしなければ、取り消し線は表示されない。
(取り消し線だけでなく、HTML の要素で指定したテキストまわりの装飾 ― 文字の大きさや色、斜体や下線など ― は全部無効化された表示になります。)
で、一カ所だけ訂正(&補足)です。
meeyar さんが書きました:
ただし、ThunderbirdでHTMLメールを作成する時の画面にはこれらの項目がないので、
HTML 形式で開いたメッセージ作成ウィンドウの [書式ツールバー] には、仰るように取り消し線の項目は存在しません。
しかし、標準状態の Thunderbird でも、次の手順で取り消し線を付けられます。
a1. メッセージ作成ウィンドウの入力・編集エリアにある文章のうち、取り消し線を引きたい文字列を選択。
a2. その状態から、メニューバーの [書式] -> [テキストのスタイル] -> [取り消し線] を選択。
ただし、この方法で付けられるのは <strike> タグです。
HTML メールには決まった文書型定義(DTD)はないので、HTML5 で廃止された <strike> タグでも、ほとんどの場面で通用すると思います。
少しでも最新の現行規格に合わせた HTML / CSS を駆使したいのなら、次のような方法もあります(HTML の基礎知識が必要ですが...)。
b1. メッセージ作成ウィンドウの入力・編集エリアにある文章のうち、取り消し線を引きたい文字列を選択。
b2. その状態から、メニューバーの [挿入] -> [HTML] を選択。
b3. 選択した文字列をピックアップした [HTML を挿入] ダイアログが開くので、その文字列の前後に必要なタグを書き込む。
b4. [挿入] ボタンを押してダイアログを閉じる。
例えば、「あいうえお」という文字列を選択したとすると、b3 で「あいうえお」という文字が入った [HTML を挿入] ダイアログが開きます。
ここで、「あいうえお」の前後に <s> タグや <del> タグを入れることができます。
<s>あいうえお</s>
<del>あいうえお</del>
ただし、<s> や <del> はそれぞれ意味を持っています。見た目は同じ取り消し線として表示されますが、HTML 要素としての意味が異なることに留意してください。
<s> 正確ではなくなった内容を示す
<del> 削除された内容を示す
CSS での指定も可能です。
<span style="text-decoration: line-through;">あいうえお</span>
<span> タグには HTML としての意味はとくにありません。CSS を指定するためのタグといってよく、単純に装飾するだけです。
テキストエディタなどで書いた HTML 文書のソース全体をコピーし、空の状態で開いた [HTML を挿入] ダイアログに貼り付けて挿入することもできます。
タグを正しく使い分けて HTML メールの構造を論理的に作りたい方は、こういう方法も使えますよ、と......。
とりあえず以上です。
(注意点)
meeyar さんからも指摘されていることですが、受信側が必ず HTML 形式の表示をすることが事前に確認できている場合は別として、未確認の相手や不特定の相手に対しては、次のような点に注意してください。
装飾としての「テキストのスタイル」にはいくつかの種類がありますが、そのスタイル自体に意味を持たせるような使い方ができてしまうものがあります。
「取り消し線」はその典型例で、受信側の表示にこのスタイルが反映されなければ、取り消し線によって付与された「否定」の意味自体が消えてしまいます。
(例)
13年後 (「1」に取り消し線)
という文字列が HTML メールの本文内にあったとき、HTML 表示をしている環境では 1 に取り消し線が付いているので、(分かり難いながらも)「3年後」ということが理解できますが、HTML 表示が無効になっている環境では「13年後」と表示され、本来伝えたい意味は失われてしまいます。
前後の文脈から「13年後」という表現がおかしいことはわかるかもしれませんが、では何が正解かは、この表示状態だけでは判断できかねます。「~」が欠落した「1~3年後」かもしれないからです。
(改善の一例)
1年後訂正> 3年後 (「1年後」に取り消し線、「訂正> 」追加)
このようにしておけば、表示条件を問わずに意味は伝わりますし、HTML 表示されていれば、いっそうハッキリと伝わります。
装飾部分だけに意味付けを依存するような HTML メールの使い方は、意味伝達に食い違いをもたらす危険性が増すことにご留意ください。