※質問するときは、「フォーラムの利用に関するご案内」、とりわけ「質問するときは」に目を通し、Thunderbird のバージョンだけでなく、OS の種類とバージョンなど使用環境についての最低限の情報を書き添えることをお勧めします。とある質問者 さんが書きました:
先日、新規PCへThunderbirdをインストールしました。
そこで既存PCからアドレス帳をエクスポートし、新規PCへインポートを行いました。
「既存PC」の OS の種類とバージョンは何ですか。こちらの Thunderbird も 45.2.0 ですか。
「新規PC」の OS の種類とバージョンは何ですか。Thunderbird が 45.2.0 というのは了解しました。
現役の Windows -> Windows とか、Mac -> Mac とかなら比較的容易に考えられますが、Mac -> Windows みたいに異なる OS 間とか、同じ OS でも極端にバージョンの開きがあるような場合は、余分に目を配るべき事柄があるかもしれませんので...。
「既存PCからアドレス帳をエクスポート」したときの出力形式（ファイルの種類）は何ですか。
Thunderbird 45.x 系（Windows 版）では、次の６種類から選択できます。
・カンマ区切り (システムの文字セット) (*.csv)
・カンマ区切り (UTF-8) (*.csv)
・タブ区切り (システムの文字セット) (*.tab;*.txt)
・タブ区切り (UTF-8) (*.tab;*.txt)
・vCard (*.vcf)
・LDIF (*.ldi;*.ldif)
とある質問者 さんが書きました:
しかしながら数件ほど移せていないデータがありました。
「移せていないデータ」とは、どういう状態ですか。例えば、A さんの [連絡先] 情報が
（a）丸ごと欠落した状態
（b）項目が部分的に欠落した状態
（c）項目が乱れた状態（[表示名] 欄にメールアドレスが入っている、など）
（d）その他、具体的に
とある質問者 さんが書きました:
個人的に調べたところ、相手方のメールアドレスに「”〇〇〇"」のような記号が入っていました。
これが怪しいと思ったのですが、原因をおわかりの方がおられましたら、ご教授をお願い致します。
Thunderbird のアドレス帳の、ひとつの [連絡先] において、[姓] 、[名] 、[表示名] 、[ニックネーム] 、[メールアドレス] …… とある各項目のうち、[メールアドレス] 欄に「"名前" hoge@piyo.com 」のような形でメールアドレスが入っているという意味でしょうか。
もしそうなら、カンマ区切り形式（csv）または タブ区切り（tab / txt）での出力時に、この欄の区切りが乱れたり、それ以降のデータが欠落したりする可能性はあるかもしれません。
ぼくもすべてのケースを知っているわけではありませんし、情報の限られたいまの時点で断言はできませんが、次のような推測はできないでしょうか。
日常的に送受信する電子メールの差出人（From）や宛先（To）に、「名前 <hoge@piyo.com> 」のような形式でメールアドレスが入ることがあります。
これをアドレス帳に登録すると、「名前」部分は [表示名] 欄に入り、「<hoge@piyo.com> 」部分は [メールアドレス] 欄に hoge@piyo.com だけが入ります（< > は削除される）。
文字どおり、メールアドレスの命名規則に準じた要素だけが [メールアドレス] 欄に入るべきなので、この動作は妥当だといえるでしょう。（そのために欄が区別されているわけですから...。）
一方、もし [メールアドレス] 欄に「"名前" hoge@piyo.com 」のようなメールアドレス以外の余計な文字や記号を含んだデータが入力されていたとすると、正規のメールアドレスの構成要素ではない部分の取り扱いをめぐって、エクスポート時（またはインポート時）に思わぬ動作不良が起こる可能性はあろうかと思います。
とくに CSV 形式では、その仕様からもデータの区切りに混乱をもたらす要素があると、問題が起こりやすいように思います。
この場合、エクスポートでデータを出力したときと、そのデータをインポートしたときの２つのタイミングで、問題が起こりえます。どちらか一方かもしれませんし、両方で問題が起こっているのかもしれません。
エクスポートした CSV（またはタブ区切り）の内容をテキストエディタや CSV エディタで開いて目視確認したとき、
内容に問題がないことが確認できるのなら、主な問題はインポート時に起こっていることになります。
しかし内容に不正常な部分が見出せるのなら、エクスポート時に問題が起こっていることになります。この場合、問題点を手動で修復したものをインポートすることで、正常な取り込みができるかもしれません。
比較としていえば、もし「既存PC」がまだ使える状態にあるのなら、「既存PC」から LDIF 形式でエクスポートしたものを「新規PC」でインポートした場合はどうなりますか。こちらは CSV 形式や TSV 形式とは仕様が異なるので、[メールアドレス] 欄の内容が変則的であっても、あるいは問題を回避できるかもしれません。
それとも、LDIF 形式でのエクスポート／インポートで、本件の問題が起こっているのでしょうか。
個人的な経験の範囲ですが、Thunderbird -> Thunderbird なら、LDIF 形式が一番無難な気がします。
Thunderbird 以外のメールソフトとの間では、汎用性の高い CSV 形式は捨てられませんが、相手方のメールソフトとの相性によっては、細部に問題が起こることはありえます。
（補足）
アドレス帳の移行に関しては、Thunderbird が最初から持っている標準の「個人用アドレス帳」「記録用アドレス帳」だけなら、エクスポート／インポートの必要はありません。プロファイル直下にある abook.mab（個人用アドレス帳）、history.mab（記録用アドレス帳）を、移行先のプロファイルにコピーするだけでオーケーです。（移行先で１件もアドレス登録をしていないことが前提ですが。）
しかし、ユーザーが任意に追加作成したアドレス帳は abook-1.mab 、abook-2.mab …… のように、インポートしたアドレス帳は impab-1.mab 、impab-2.mab …… のように、プロファイル内に機械的なシーケンスで命名・生成されます。
それと Thunderbird 上で表示されるアドレス帳名（例：「科特隊隊員アドレス」「国際救助隊関係者」など）は、実体である abook-1.mab や impab-1.mab などが prefs.js によって照合・管理されているため、*.mab ファイルの単純なコピーでは移行できません。
逆にいえば、prefs.js 内の情報を手動で書き換えたり、整合性を崩さないよう「既存PC」にある *.mab ファイルをリネーム＆コピーすることで、エクスポート／インポートを使わずにアドレス帳を移行することも不可能ではありません。（ただし、変則的というか裏技的な方法なので、積極的にはお勧めしません。）
とりえあず以上です。ご希望に沿わない話だったらすみません。
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