再び横から失礼します。
【最重要】RaC さんからもご指摘がありますが、プロファイル内を操作するときは、Thunderbird を終了させた状態でおこなうのが必須条件です。
(理由)
Thunderbird が起動していると、その時点で Thunderbird が使っているファイルのいくつかがロックされていて、削除や上書きコピーができないものが出てきます。
プロファイル内のいくつかのファイルは、相互に関係を持っているものがあり、削除されずに残ったものと、バックアップから書き戻されたものが混在すると、プロファイルの情報の整合性が崩れてしまうケースが出てきます。
Thunderbird の起動中だけ生成される一時ファイルがあり、Thunderbird の起動中にこうしたファイルが不用意に削除されると、それに関連するデータが適正に保存できなくなり、データに狂いが生じる場合があります。
(注意)
そういう誤った復元方法と、それによって作られたプロファイルのバックアップを何度もくり返していると、プロファイル内の情報が "微細な狂い" から "大幅な狂い" にまで進んでしまい、潜在的に不具合の芽を抱えてしまうことがあります。
【バックアップと復元の基本的な考え方】ご質問にあるような "バックアップ" の性質をざっくりいいますと、対象となるファイル/フォルダをそっくりそのまま複製して、安全な別の場所に保管することです。
バックアップ直後は、現在使っているデータ群と、バックアップしたそれらは、構成も内容も各々のファイル名も、すべて同じです。
しかし、バックアップ後の使用経過に応じて、現行のプロファイルとバックアップの間に内容上の差異が出てくるのが普通です。
例えば、ある時点でバックアップをとった後、新しいアドオンをインストールすれば、現用プロファイルとバックアップには明らかな違いが生じます。
このように少しずつ異なるバックアップを複数持つやり方は、一つのバックアップを失っても他が残っているという些細な安心感は得られますが、復元する必要が生じたときに面倒なことになります。万一の場合に復元に利用することを目的としたバックアップは、もっと効率的な取り扱いをすることが望ましいと思います。
また、バックアップは、正常な状態の対象を複製しないと意味がありません。(そうとは知らずに、であっても)破損したり整合性が崩れたファイル群をバックアップしていたとしたら、正常な復元は望めません。不具合の原因をもわざわざ復元してしまうような、本末転倒な結果を生み出してしまうケースは実際にあります。
復元は、現状がどうなっていて、それをどのような状態にしたいのかによって、作業内容が微妙に変わってきます。RaC さんが何度も質問しておられるのは、そのことです。
例えば、正常に稼働しているプロファイルがあり、そこにバックアップからメールデータだけを復元したい場合は、プロファイル丸ごとを入れ替える必要はありません。メールデータだけをターゲットにした復元の手順を踏むべきです。
PC の引っ越しなど全面的な環境移行の場合は、プロファイル(xxxxxxxx.default)の上位階層含めたオールインワンの移行手順もあります。
出発点である現状と、到達点である目標によって、考慮すべき事柄や適切な方法が変わってくるわけです。
【保存内容の異なる複数のバックアップからメールデータを結合して復元する】プロファイルのうち、メールデータの復元に絞った話です。
すでに他の方々からアドバイスされているとおりですが、理解を促すため、あるアカウントの [受信トレイ](Inbox)にあるメールデータを模式化します。
各月のデータを四角で表します。■は、メールデータがある状態、□は、ない状態です。
ある年の 1 ~ 6 月分のデータをバックアップしたものは次のように表現できます。
■■■■■■□□□□□□ …… バックアップ(A)
これをバックアップした後、1 ~ 6 月分のデータを消去して 7 ~ 12 月まで使い、これをバックアップしたものは次のようになります。
□□□□□□■■■■■■ …… バックアップ(B)
どちらも、プロファイル内のファイル名は、拡張子のない Inbox です。
こうした状態になっている 2 つのバックアップを復元する場合、新しい環境の新しいプロファイルに、(A)の Inbox ファイルを書き戻すと、
■■■■■■□□□□□□
となります。
続いて、(B)の Inbox ファイルを書き戻すと、ファイル名が同じなので、上書きするか、別名でコピーするかの選択になります。
上書きした場合、(A)の内容は(B)の内容で書き換えられてしまって次のようになり、(A)の内容は消えます。
□□□□□□■■■■■■
別名でコピーしたなら、(A)はそのまま残り
■■■■■■□□□□□□
別の名称で(B)が独立して復元されます。
□□□□□□■■■■■■
1 ~ 12 月分をまとめて
■■■■■■■■■■■■
という状態にしたいなら、(A)と(B)をマージ(合併・結合)させる必要があります。
さらにいえば、現在使っているデータ(C)も合わせてマージしたいなら、その分も考慮することになります。
■■■■■■□□□□□□□□□□□□ …… (A)
□□□□□□■■■■■■□□□□□□ …… (B)
□□□□□□□□□□□□■■■■■■ …… (C)
■■■■■■■■■■■■■■■■■■ …… 上記3つをマージ
このためには、(A)(B)(C)が並存できるような形で現用プロファイルにバックアップのデータを取り込み、そのあと起動した Thunderbird 上で、必要な個々のメールを目的のフォルダに移すことで、結合・整理をおこないます。
別の言い方をすれば、複数のバックアップから現用プロファイルへファイルをコピーしただけでは、マージできないということです。
複数のメールデータのバックアップと現存データを併存させる作業方法はいくつかあります。
(1)バックアップしているメールデータのファイル名を変更してから新しいプロファイルにコピーする
(2)新しいプロファイルに作業用のフォルダ(1つ、または複数)を作り、その中にバックアップしているメールデータのファイルをそのままコピーする
参考 ――
viewtopic.php?t=14982&p=53255#p53255いずれも、最終的に完成形としたいプロファイル内で、現存データとバックアップの各データのファイル名が競合して不用意に上書きされてしまわない状態にすることが肝要です。
あとは、Thunderbird 上で、ユーザーの希望する構成になるよう各メールを仕分けします。
以上、今後このトピックをご覧になる方のことを考慮して、間違うと致命傷になりかねない事柄について書かせていただきました。