昨年の 12 月ごろだったと思いますが、Mozilla の FTP サイトをのぞいたら、utilities というカテゴリが追加されていて、その中に profilemanager というスタンドアローンのアプリケーションが登録されていました(たしか version 0.1 か 0.2)。
そのとき、まったく興味本位でダウンロードして試してみたのですが、まだ最初期のビルドで未実装の機能が多く、Firefox のプロファイルを一括管理するアプリケーションだということはわかりましたが、使えるような代物ではありませんでした。
その後、
Mozilla Re-Mix さんの記事 で紹介されていて、背景や機能の概要などを知りました。
先日、久しぶりに FTP をのぞいたら、この ProfileManager の 1.0_beta2(2011/03/30)が出ていました。
再び試用してみましたが、かなり進展しているようでした。
現状のプロファイル・マネージャは、プロファイルの作成・削除・リネーム、起動オプションとしてはオフライン・モードでの起動ぐらいしかできません。
スタンドアローンの ProfileManager では、プロファイルの作成・削除・リネームのほか、コピーやバックアップ / リストアもできます。起動オプションとしては、オフライン・モードのほか、セーフ・モードでの起動、コンソールからの起動、別インスタンスとしての起動(-no-remote)などが選択できます。
現状のプロファイル・マネージャは、firefox.exe に起動オプションを指定して実行するため、どのバージョンの firefox.exe で起動させるかでその後の動作に制約がありますが、スタンドアローンの ProfileManager では、その画面上で実行したい firefox.exe のバージョンと使用するプロファイルの組み合わせを選択して Firefox を起動させられます。
ひとつのバージョンの Firefox をひとつのプロファイルで使用しているユーザーにとってはあまり意味がないと思いますけど、複数バージョンの Firefox を併用し、しかもそれぞれに複数のプロファイルを使い分けているようなユーザーにとっては、全体を一覧で管理できるのは便利かもしれません。
現在、英語版のベータバージョンしかありませんが、目的がはっきりしているアプリケーションなので英語力が極貧のぼくでもそれほど用語を難解だとは感じませんし、プロファイル管理の簡便化に一役買えそうな印象を持ちました。
ただ、Firefox のプロファイルしか扱えないようで、Thunderbird や SeaMonky などのプロファイルは対象外になっているのが残念です。どうせなら将来的に扱えるプロファイルの幅が広がることを期待したいですが、さてどうなりますか...。
「プロファイルって何?」的なユーザーにとってはプロファイルのバックアップ作業の敷居が高いことがあり、よく MozBack などのバックアップ・ユーティリティが利用されています。
しかし、MozBack は Windows 版しかありません。
一方 ProfileManager は、Windows 版、Mac 版、Linux 版があります。Firefox のプロファイル限定という制約を考えると MozBack と一長一短ですが、Firefox のプロファイルのバックアップ / リストア用途に限っていえばプラットフォームを問わない分けっこう使える場面はあるかもしれませんね。
もっとも、システム上での直接的なファイル操作に慣れているユーザーなら、プロファイルの直接操作もそれほど困難はないと思いますので、わざわざ使うほどのものではないのかもしれませんが...。
以上、ざっと感想を交えて紹介まで。