※質問するときは、「フォーラムの利用に関するご案内」、とりわけ「質問するときは」に目を通し、OS の種類や Firefox のバージョン、その他の使用環境についての最低限の情報や、おこなった具体的な操作手順を書き添えることをお勧めします。【はじめに】
Firefox 42.0b1 はベータ版(正式版のひとつ前の開発版)です。
この投稿をした時点での最新ベータ版は 42.0b9 となっています。ベータ版でのテストを経て、あと1週間ほどで正式版の Firefox 42.0 がリリースされる予定です。
一般的には、同じバージョンのベータ版なら、古いものほどバグが潜んでいる可能性が高く、新しいベータ版ほどそれ以前の不具合が修正されている割合が高くなっています。
・Firefox 42 ベータ版リリースノート
http://www.mozilla.jp/firefox/42.0beta/releasenotes/を見る限りでは、セッション復元機能周辺の変更は見当たりません。
【本題】
HBH さんが書きました:
フォルダ上で2つのリンクを同時に起動したのみで他の原因は不明です。
どこにある、何の「フォルダ上」での話ですか。
「2つのリンクを同時に起動した」というのは、どのような操作のことですか。
ご質問の文面が簡素なため、そこから読み取れることが少なく、第三者には具体的な状況が把握できません。
ご承知のこともあろうかと思いますが、さしあたって一般的な条件を列記しますので、これをヒントにご自身の状況とすり合わせてみてください。
(一般的な動作)
標準状態の Firefox が持つセッション復元機能は、そのとき開かれているタブの状態を記憶し、Firefox を正常終了させたあとの起動時や、あるいは異常終了(クラッシュ)したあとの起動時などに、開いていたタブの状態を復元してくれる機能です。
通常、オプション設定の [一般] -> [起動] -> [Firefox を起動するとき] が [前回終了時のウィンドウとタブを表示する] になっていると、セッション復元機能が自動的に働きます。
そうではない条件下([ホームページを表示する] や [空白ページを表示する])でも、標準状態の Firefox では、複数のタブを開いているときに Firefox を終了しようとした場合、[Firefox の終了] というダイアログが開いて [開いているタブを保存して次回起動時に復元しますか] と問い合わせてきます。
このとき [保存して終了] ボタンを押すと、sessionstore.js が生成され、次回起動時に限りその状態が復元されます。
このダイアログで、[次回からは確認しない] にチェックをつけて [保存して終了] ボタンを押すと、[一般] -> [起動] -> [Firefox を起動するとき] が [前回終了時のウィンドウとタブを表示する] に変更され、次回以降、セッション復元機能が自動的に働くようになります。
こうしたセッション復元機能は、ある種のアドオンによっても提供されていて、Firefox にはない付加機能があったりもします。
この場合は、Firefox が持つ標準機能とは管理方法が異なっていたり、より拡張されていたりしますので、Firefox 本体だけを見ていては問題点を見いだせないことがあります。セッション復元機能をアドオンに依存しているのなら、そのアドオンを軸に点検を進めたほうがいいと思います。
(プロファイル内の動き)
Firefox 標準のセッション復元機能は、適切な設定になってれば、そのとき開いているタブの状態を一定周期で記録します。
新しいページを新しいタブで開いたり、いま開いているタブに新しいページを読み込んだり、これまで開いていたタブを閉じたりといった変化を、一定のインターバルでチェックし、その状態を記憶しています。これは、プロファイルフォルダ配下の sessionstore-backups\recovery.js に記録されます。Firefox がクラッシュしたようなとき、この recovery.js から状態が復元されます。
Firefox を正常に終了したときは、その時点の状態がプロファイルフォルダ直下の sessionstore.js に書き出され、次回起動時には sessionstore.js から状態が復元されます。Firefox 起動後、一定周期のチェックがおこなわれると sessionstore.js はいったん消えます。したがって稼働中の Firefox のプロファイルには sessionstore.js は存在しません。
何かの事情で、Firefox の終了時に sessionstore.js が生成されないか、sessionstore.js が破損してしまったような場合、代替的に sessionstore-backups\previous.js が読み込まれます。previous.js は、正常に保存された直近の sessionstore.js と同等です。
平常時に使われるセッション復元のための情報源は sessionstore.js ですが、非常時のバックアップ用に sessionstore-backups フォルダの中には上述したファイルをはじめ複数のファイルが存在し、可能な限り復元の確率を 100 %に近づけるように工夫されています。
Firefox を起動したとき、前回のセッションが復元されない場合、sessionstore.js だけでなく sessionstore-backups フォルダも存在しないケースが多いと思います。頼るべき復元情報がプロファイル内に皆無なので、復元しようにもできない状態、といいますか...。
(プライベートブラウジングもセッション復元情報を保持しませんが、これはユーザーが意図しておこなうものですから、ここでは触れません。)
(セッション復元機能が働かないケース)
セッション復元機能が働かなくなる状態が生み出さる条件はいくつかありますが、比較的よくあるのが Firefox で履歴の消去をおこなったケースでしょうか。
履歴消去のパターンはいくつかあります。ありがちなのは、
(a)メニューパネルにある [忘れる] ボタンで履歴まわりの情報を削除した場合
(b)オプション設定の [プライバシー] -> [履歴] -> [Firefox の終了時に履歴を消去する] が有効になっていて、その [設定] 内で [表示したページとダウンロードの履歴] にチェックがついている場合
(c)キャッシュや履歴の削除を効率化するようなアドオンを導入していて、そのアドオンが誤動作を起こした場合
―― などだと思います。
ユーザーのおこなった操作、アドオンの種類や設定内容などによっては、影響を受けるパターンは他にもあると思います。
Firefox 以外の原因としては、
(d)システムやディスクのクリーニングを銘打ったソフトウェアを実行したような場合
―― というのがあります。
これは、そのソフトウェアの初期設定がどうなっているのかにもよりますが、削除対象として Firefox のセッション情報が含まれている場合、そのクリーニングソフトを実行すると、Firefox のセッション情報を保存した sessionstore.js や sessionstore-backups フォルダ内が削除されることがある、という話です。
(ぼくの周囲でのことですが、「データが消えた」という相談を受けた中に、ユーザーがよくわからないまま不用意な設定を施してクリーニングソフトを実行したことが原因だった、というケースを複数経験しています。)
ストレートな解決策ではありませんが、とりあえず以上です。的外れだったらすみません。
HBH さんがご利用の環境条件(OS や Firefox のバージョンなど)、通常おこなっている設定や操作手順などを具体的に追記していただくと、他のユーザーさんから追加のアドバイスが寄せられるかもしれません。