ぼくも、Firefox Sync については理解できていないところがたくさんあります。
いくつか疑問に感じている点もあるのですが、その理解を助けてくれるドキュメントすら探し出せない体たらくです(自嘲)。
で、過去にいろいろ実地に試した経験から、「たぶんこうだろう」と理解していることを書きます。Mozilla の公式ドキュメントから紹介しているわけではないので、あくまで参考程度にとどめておいてください。
SeagullWhie さんが書きました:
(1)そもそも、このSyncの『自動』同期タイミングっていつなんでしょ? 一定時間間隔? Firefox終了時?
(2)仮に自動同期タイミングに「一定時間間隔」がある場合、その時間間隔を調整する方法はある?
Firefox Sync をセットアップしていれば、Firefox 4.0 系の起動時に自動的に Sync サーバへの接続が試みられます。
更新間隔の計算起点はたぶんここからです。
以降、Firefox を起動中は一定のインターバル(時間間隔)で自動的に同期動作をおこなうようです。
もちろん、ユーザーが任意のタイミングで「今すぐ同期」を実行すれば、そこからインターバルのカウントが再開されるようです。
この「インターバル」を規定している設定項目があります。
services.sync.syncInterval
アドオン版 Firefox Sync の古いバージョンなどでは、about:config に初期状態で存在していましたが、現在利用可能なアドオン版(1.7)および本体に搭載された Firefox 4.0 以降の Firefox Sync では、どうも初期状態で about:config には表示されないようです。
ただし、Firefox 4.0 系で about:config からユーザーが手動でこの項目と値を設定してやれば、その設定値で動作はするみたいです。(整数値/ミリ秒単位)
Firefox 3.6 系にインストールしたアドオン版の Firefox Sync 1.6(またはそれ以前)や Firefox 4.0b8 あたりで、
services.sync.syncInterval
の初期値は 3600000(ミリ秒)= 1 時間
だったと記憶していますが、Firefox 4.0 系における現在の初期値は確認していません。
関連して、
services.sync.syncThreshold
という設定項目があり、これは同期項目の時間誤差の閾値を規定しているようです。
サーバ上とクライアント上のデータのタイムスタンプを比較し、この値以上の時間差がある項目が「変更されたもの」と認識されるような感じです。
Firefox Sync 1.6 あたりで初期値が 500(おそらくこれもミリ秒?)だったと覚えていますが、Firefox 4.0 系における現在の初期値は確認していません。
SeagullWhie さんが書きました:
(3)仮に自動同期タイミングに「Firefox終了時」がある場合、Firefoxを開いたままでWindowsを正常にシャットダウンしてしまった場合、同期は実行される?
この点は試してない/調べてないのでよくわかりません。
ただ、about:config で
services.sync.log.appender.debugLog.enabled
の値を true にすれば、プロファイル配下に
~ \weave\logs\verbose-log.txt
のようにログが出力されるので、これを詳しく調べれば何かわかるかもしれません。
(ざっと試した限りでは、Firefox 終了時に Sync サーバと交信したような形跡は見当たりませんでしたが...。)
以上、あくまで個人的な体験から得た知識としての話です。
くり返しますが、ぼくが誤って理解している点があるかもしれないことはお含みおきください。
(英語その他の言語を含めて探せば、もっと理論的に説明してくれるサイトが見つかるかもしれません。)
【要注意】
services.sync.syncInterval の値を短い数値に設定した場合、頻繁にサーバ=クライアント間のデータ転送が発生し、サーバに不適切な負荷をかけるのはもちろん、ユーザーがそのとき接続しているネットワーク環境によってはクライアント側のパフォーマンスに悪影響を及ぼす場合もありえます。
また、自動同期間隔を極端に短くすることは、クライアント上でのユーザーの誤操作を訂正する猶予がなくなることを意味します。ご質問のようなケースとは逆に、誤って設定してしまったパスワードや個人設定などが直ちに Sync サーバに反映され、ユーザーが気づかないままそれが他のデバイスにも反映されるなどして予期せぬ事態を招く危険性が高まります。
現状の初期値がすべてのユーザーにとってベストとはいえないかもしれませんが、短期的なテスト目的を除けば、原則としてこの設定項目の変更は非推奨です。どうしても恒常的な変更をおこなう場合はすべて自己責任でお願いします。とりあえず応答できる範囲のことですが以上です。
より正しい情報・知識をお持ちの方からのフォローを期待します。
(余談)
SeagullWhie さんが書きました:
で、現在のPCでSyncを利用したままFirefoxを使っているわけですが、新たに登録したブックマークが、次回のFirefox起動時に消えてしまうという現象に何度も見舞われました。
ブックマークの同期が「クライアント -> サーバ」方向で適切に Sync サーバに反映されていない状態のまま Firefox が終了され、次回起動時の自動接続・自動更新で「サーバ -> クライアント」方向での同期がおこなわれた結果なんでしょうか?
ぼくにも似たような経験があり、Firefox Sync がどういう仕様・基準で同期動作をおこなっているか知りたいと思っています。
完全に Firefox Sync 任せの自動化に依存してしまえるなら、それはそれで精神的には楽かもしれません。
でも、場合によっては意識して同期方向の優先性を決めたいようなニーズを持つユーザーにとっては、ブラックボックス状態で動作されると逆にストレスが溜まるかもしれませんね。
個々の異なる場面で、いったいどうやったら期待どおりの同期を果たせるのか、いまだに方法が見出せません(苦笑)。