【Thunderbird の標準的な動作】ご存知のこととは思いますが、復習を兼ねて......。
標準状態の Thunderbird では、受信した新着メッセージ(メール)は自動的に [未読] のステータス(X-Mozilla-Status: 0000)が与えられ、画面上では太字表示になります。受信後そのメッセージを選択・表示しなければずっと [未読] のままで、勝手に [既読] のステータス(X-Mozilla-Status: 0001)になることはありません。
[未読] マークが付いたメッセージを、[既読] 状態に切り替える動作とそのタイミングは、[オプション] -> [表示] -> [詳細] -> [既読] から調整できます。
[メッセージを自動的に既読にする] の初期値はチェックが入って有効な状態です。チェックを外せば(無効化すれば)、ユーザーが明示的に [既読] にしない限り、未読状態が維持されます。
自動的に既読に切り替えるタイミングは次の2つが選択可能です。初期選択は前者です。後者は任意の秒数を指定できます。
[メッセージの表示直後に既読にする]
[メッセージを [<5>] 秒間以上表示していたら既読にする]
【状況確認】問題が起こるアカウントは、IMAP ですか、POP ですか。それぞれに特性が違うので、考慮すべき点が変わってくる場合があります。
「時々新着メールが強調表示されないことがあります」と仰っているのは、あるタイミングで受信動作をおこなったとき、新着メッセージとして受信した複数のメッセージが、全部 [未読] として表示されるときと、全部 [既読] になってしまうときがある、という意味ですか。
あるいは、ランダムに未読と既読に分かれる、といったことでしょうか。例えば、受信操作(あるいは定期的な自動受信)がおこなわれたとき 5 件のメッセージが受信されたとして、普通なら 5 件全部 [未読] になりますが、
次回ミーティングのご連絡
納期変更の件 サービス変更に関する重要なお知らせ Re: 例の資料を送付します
よろしくお願いしますのように、ランダムに [既読] 表示が入り混じるようなことが起こっているのでしょうか。
新着として受信し、一度も開いていないのに、いつのまにか [既読] になっているというメッセージに、何か規則性・法則性のようなものはお気づきですか。例えば、特定の差出人からのメッセージで起こるとか、添付ファイルの付いているメッセージで起こるとか、返信メールで起こるとか、そういったことです。
【考察】KintaJR さんが書きました:
いつもではないようで、また特定のアカウント(仕事用)だけで起こるような気もしますが、こういうことはあるものでしょうか。
上述のように、原則的には、受信後のメッセージをユーザーが一度もさわらなければ、自動的に [既読] になることはありません。
しかし、考えられることはあります。KintaJR さんのところで起こっている問題に当てはまるかどうかはわかりませんが......。
あるアカウントに対して設定された [メッセージフィルタ―] の中に、次のような動作条件が指定されていれば、検索・抽出条件に合致した受信メッセージが、自動的に既読化されることは、起こりえます。
[以下の動作を実行する:]
[メッセージを既読にする v]
上段の検索・抽出条件にどんな内容が指定されているかによって、この動作が適用されるメッセージと、適用されないメッセージが分かれます。
また、[メッセージフィルター] はアカウント単位で条件設定が保持されるので、あるアカウントで誤って上記のようなフィルタ―条件が設定されてしまっていても、ほかのアカウントには影響しません。なので、「特定のアカウント(仕事用)だけで起こるような気もします」ということもありえます。
もしこのようなケースなら、(うっかりミスであったとしても)ユーザー自身がそういう設定をおこなった結果としての動作、ということになります。
KintaJR さんが書きました:
なるべくLiveメールと似た使用感になるよう、いろいろアドオンなども加えて、とりあえず問題なく使用できていますが、
KintaJR さんが書きました:
新着を見落とすと困るので、これもいろいろ検討し、アドオンを加えて新着メール着信時のポップアップが消えないようにしたり、新着メールとそのトレイは別色で表示されるようにしたりもして、通常はこれで普通に機能していますが、
「いろいろアドオンなども加えて」「これもいろいろ検討し、アドオンを加えて」というあたりが気になります。
いまある情報だけでアドオン(拡張機能)が原因だとは断定できませんが、「いろいろ」の中身によっては、アドオンまわりの不具合である可能性は考えられると思います。
たしかにアドオンは、標準状態の Thunderbird にはない機能を追加してくれたりするので便利ですが、その分、標準状態の Thunderbird では決して起こらないトラブルを誘発してしまうことがあります。
とくに、同系統のアドオンを複数インストールしていると、似た機能同士が衝突して、思いもよらない動作不良・表示異常を起こすことがあります。
「新着メールの強調表示が消えます」の症状が出るので、「アドオンを加えて新着メール着信時のポップアップが消えないようにしたり、新着メールとそのトレイは別色で表示されるようにしたりもして」きたということは、原因を特定してそれを解消するのではなく、そこは手つかずのままアドオンを追加してその機能でカバーするような運用を続けてこられた、というふうにも解釈できます。
もしそうなら、現状は Thunderbird の標準的な設定条件から大きく外れて、複数のアドオンで幾重にも塗り固められた変則的な状態になっているのかもしれません。例えるなら、その時どきの都合で場当たり的に建て増しをして非常に複雑化した(そして防災上の脆弱性を増した)建物のような状態、とでもいえばいいでしょうか。
発生条件がランダムな症状は、原因を特定するのが難しいものですが、「セーフモード」で Thunderbird を起動して、掲題の症状の起こり具合を調べてみると、何か見えてくるかもしれません。
(参考)
・Thunderbird のセーフモード | Thunderbird ヘルプ
support.mozilla.org/ja/kb/safe-mode-thunderbird
あるいは、テスト用の新しいプロファイルを追加作成して当該アカウントを作成し、そのまっさらなプロファイルで Thunderbird を動かしたとき、ご質問のような症状が出るかどうかを点検し、既存のプロファイルと比較してみることで、原因の所在を切り分けていけるかもしれません。
(参考)
・複数のプロファイルを使用する | Thunderbird ヘルプ
support.mozilla.org/ja/kb/using-multiple-profiles
とりあえず以上です。的外れな話だったらすみません。
(おことわり)
現在、健康上の制約により不定期な書き込みしかできなくなっています。すぐに応答できない場面がかなり多くなりますことを、ご容赦ください。