横から失礼します。
すでにお二方からご指摘がありますが、
(A)「間違ったファイル」が何を意味するかによって対策が変わりうる。
(B)「添付ファイルの誤送信」の防止はメール・クライアントの機能だけでは困難。
―― と、ぼくも思います。
総論として、個人的には次のように考えています。
A
┌─────────┐
│ 正しい宛て先 │ 間違った宛て先
───────────┼────────┼─────────
┌ 正しい添付ファイル │ ○ │ ×
B│ ───────────┼────────┼─────────
└ 間違った添付ファイル │ × │ ×
(A)「誤った宛先への送信」の予防
主に「メールアドレス(宛て先)の選択」の問題。したがって、メール・クライアントの運用の範疇での対策が中心的課題になりうる。(ただし、「B 社の小川さんに送ってくれ」を「P 社の尾形さん…」と聞き間違えたなどのヒューマンエラーは抑止困難。)
(B)「誤ったファイルを添付しての送信」の予防
主に「ファイル管理」の問題。したがって、これをメール・クライアントの機能だけに依拠して制御するのは限度がある。
限界のあることを認識した上で、メール・クライアント側で可能な対策を求めるのであれば、pal さんがご紹介のように送信前に確認ダイアログを出すなどしてユーザーに注意を促すことぐらいでしょうか。
chloroform さんが書きました:
ベストな対策としては「Confirm-Address」のように、送信前に添付ファイルを開かせることを強制するような add-on があれば良いのですが、「add-ons for Thunderbird」内を探してみた限りでは見当たりませんでした。
これも「送信前の確認」のバリエーションですね。この方法を実行する手段は知りませんが、仮に実現できたとしても“ベスト”とは言い難いかもしれません。
Word の doc ファイルと Excel の xls ファイルのように種類が違うなら一目瞭然ですが
(*)、同一ファイルで更新前後の世代が異なるような場合は注意が必要です。理由は次のとおりです。
(*)ファイルの種類を取り違えるなどのあまりに初歩的なミスが頻発するのであれば、個人ないし組織としての「ファイル管理」がずさんなことの現れと考えてよく、この点を根本的に改善しない限り、メール・クライアント側での対策では防ぎきれないと思います。
Thunderbird のメッセージ作成ウィンドウからファイルを指定して添付した段階では、そのファイルの URL を確定しただけなので、同ウィンドウの右上にある [添付] 欄に表示されたファイルを [開く] とき、元のディレクトリにある元のファイルを開くことになります。
しかし、いったん下書き保存すると、その時点でファイルはエンコードされて Thunderbird に取り込まれます。以後、メッセージ作成ウィンドウの [添付] 欄からそのファイルを [開く] ときは、元ファイルではなく Thunderbird からデコードされた一時ファイルを開くことになります。
(とくに、安全のため自動保存を有効にしているような場合は、この問題に必ず直面します。)
この挙動を理解していないと、次のような事例(けっこうありがち?)に対応できません。
(1)ファイル sample.doc を添付したメッセージを Thunderbird で編集中に急用が入り、いったん下書き保存して離席。
(2)デスクに戻ったとき、書き漏らしがあることに気づき、元の sample.doc を Word で開いて修正・保存。
(3)立て続けに電話がかかってきて対応に追われる。
(4)その後、作成途中だった下書きを開いて再編集を開始。→ 〈添付ファイルの内容は(1)の時点のまま。〉
―― といった条件のとき、送信時に添付済みのファイルを強制的に開かせたとして、それが更新済みの元ファイルと異なるかどうかを判断するには、ユーザー(人間)が上記の挙動を理解して注意を払わないと難しいかもしれません。
元ファイルの修正箇所がわずか(例:数字が一桁違うだけ)だと添付済みのファイルとの差異を認識できず、逆に全体をざっとながめて正しいファイルだと「確信して」送信してしまう場合があると思われます。(しかし結果は重大だったりもします。)
部署で共有しているような汎用ファイルなら、なおさらファイルの更新と世代管理に注意を払う必要があるでしょうし...。
「送信前の確認」以外の対策としては、ほとんど気休めですが次のようなことも考えられます。
もし、添付すべきファイル(外に送り出してよいファイル)の置き場所を一元的に管理できる条件があるなら、
user.js に、
user_pref("mail.compose.attach.dir", "X:\\Documents\\Attach");
などと、添付実行時に開くディレクトリの初期値を決め打ちしておくことで、ファイルの誤選択の回避に少しは役立つかもしれません。
| ただし、ユーザーがディレクトリを移動することは容易ですし、
| ファイルのドラッグ&ドロップで添付を行うのなら、この設定は役に立ちません。
kiki さんがおっしゃっているような包括的な対策ができなくて、どうしてもメール・クライアントのレベルで対策を取るしかない場合、何か一つの方法で…というよりは、ユーザー教育の徹底を土台にすえつつ、複数のチェックポイントを設けて誤操作の発現を可能な範囲で予防するしかないと思われます。
しかしこれもまた、あまり煩雑にすると作業効率に悪影響を与え、生産性にマイナスの結果をもたらすこともありえますし、悩ましいところだと思いますが...。