本件、ぼく自身は別トピックに書いたとおり、とくに困ることはありません。後述するような設定では使っていませんし...。
・【レポート】Thunderbird 52.0b1 を使ってみて気づいた新機能など
viewtopic.php?f=3&t=16489ただ、テストした範囲で少し気になった点を書かせていただきます。
Windows 7 環境下において、現在 Thunderbird 45.7.0 で使っているプロファイルのコピーを作り、そのプロファイルで Thunderbird 52.0b1 を起動してみました。
ようは、45.7.0 から 52.0 に自動更新し、45.7.0 で使っていたプロファイルをそのまま継承した形になります。
更新前の 45.7.0 の設定内容は次のとおりです。
┌ テキストエンコーディング ───────────────────────────
│ メッセージの送受信に使用する既定のテキストエンコーディングを設定します。
│
│ 送信メッセージ(U): [日本語 (ISO-2022-JP)] …… 45.x の初期値
│ 受信メッセージ(I): [日本語 (ISO-2022-JP)] …… 45.x の初期値
│
│ ☑ 可能であれば返信メッセージに既定のテキストエンコーディングを使用する … チェック付
└────────────────────────────────────────
[送信メッセージ] (mailnews.send_default_charset)
[受信メッセージ] (mailnews.view_default_charset)
は、ともに 45.x 系の初期値のままです。52.0 の初期値が変更されているので、45.x 系の内容が引き継がれるのか、52.0 系の初期値にリセットされるのかを見るのが目的です。一方、
[可能であれば返信メッセージに既定のテキストエンコーディングを使用する] (mailnews.reply_in_default_charset)
の初期値は、45.x 系、52.0 ともにチェックなし(無効 / false)なのですが、[テキストエンコーディング] の項目全体がどうマイグレートされるかを切り分けるため、意識的に変更(有効化)しておきました。
この内容のプロファイルを 52.0 に引き継がせた結果、当方では次のようになりました。
┌ テキストエンコーディング ───────────────────────────
│ メッセージの送受信に使用する既定のテキストエンコーディングを設定します。
│
│ 送信メッセージ(U): [Unicode (UTF-8)] …… 52.0 の初期値に
│ 受信メッセージ(I): [Unicode (UTF-8)] …… 52.0 の初期値に
│
│ ☑ 可能であれば返信メッセージに既定のテキストエンコーディングを使用する …
チェック付!└────────────────────────────────────────
既定のテキストエンコーディングの設定内容
[送信メッセージ] (mailnews.send_default_charset)
[受信メッセージ] (mailnews.view_default_charset)
は、ともに Thunderbird 52.0 の初期値 (UTF-8) にリセットされました。一方、
[可能であれば返信メッセージに既定のテキストエンコーディングを使用する] (mailnews.reply_in_default_charset)
の設定値は、新規プロファイルでは 52.0 の初期値=無効にリセットされず、45.7.0 の内容が継承されました。
もしこれが普遍的な移行結果だとすると、"返信の際は相手と同じエンコーディングがデフォルトになる" ことはなく、UTF-8 で返信されることになります。
実際、移行後の状態でテストしてみると、Content-Type の charset が ISO-2022-JP のメッセージに対しても、ISO-8859-1 や Windows-1252 のメッセージに対しても、返信は必ず UTF-8 になりました。
もちろん、このことが直ちに返信先で文字化けなどの問題を発生させるとは言えません。返信先の UTF-8 対応が十分なら、UTF-8 で返信されたメッセージを正常に扱えるとは思います。
45.7.0 でも、返信メッセージに ISO-2022-JP や ISO-8859-1 、Windows-1252 などで表現できない文字を追加したら、設定の如何に関わらず UTF-8 に変換されます。あくまで「可能であれば」ですし...。
しかし、45.x で明示的に ISO-2022-JP のエンコーディングで返信をするよう設定していたユーザー(少数派かもしれませんが)にとっては、52.0 にアップデート後、意図に反した結果(ISO-2022-JP のメッセージに対しても UTF-8 で返信)が常にもたらされることになります。
とくに法人環境において、45.x 以前から ISO-2022-JP を既定化していたような運用条件下で、52.0 に更新された直後の状況が気になります。
既定のテキストエンコーディングが UTF-8 になることに、ぼく自身は異論ありません。
しかし、[可能であれば返信メッセージに既定のテキストエンコーディングを使用する] も、いったん初期値(無効 / false)にリセットほうがいいのではないかと思います。
なぜなら、更新前のユーザー設定がどのようなものであれ、既定のテキストエンコーディングの変更にともなう不都合が起こり難くなり、"返信の際は相手と同じエンコーディングがデフォルトになる" の条件を維持できると思うからです。
(注)
上記は当方の環境に依存した特殊な結果なのかもしれませんし、テストの過程に何らかの手抜かりがあるかもしれません。他のユーザー環境では 45.x -> 52.0 のプロファイル継承がどうなるのか、もっと情報を集めたほうがいいかもしれません。
以上、エンドユーザーの立場で気になった事柄を述べさせていただきました。見当違いなことを書いていたらすみません。