ちょっとしばらく開発の裏話的な話が続くことを御容赦願います。
まぁ、もともとは山行きの計画を立てるために使いたい、という個人的なニーズで開発したのですが、どうせなら一般的な天気予報もまとめて表示できるといいよね、ということから最初のバージョンから少しずつ UI に手を加えて今の形になっています。
最初はボタンをクリックすることで、気象庁のトップページと北海道放送の専門天気図のページを表示するように作られていました。気象レーダーと警報・注意報のボタンはありませんでした。天気図を直接表示する機能ももともとは無かったものです。
また現在では一次細分区域が表示されているボタンをクリックすることで、一次細分区域を変更できるようになっていますが、これももともとはコンテキストメニューでメニューを選択して、ダイアログボックスを表示するようになっていました。
これをボタンに置き換えたのは友人から Ray さんの 1) とまったく同じことを求められて、暫定的にボタンにした結果です。彼は自宅がある大阪府と会社がある兵庫県南部を簡単なオペレーションで切替えたかったのです。
ただ私はその要求を聴いた時に困りました。拡張の目的が変ってしまうと思ったからです。そこで彼のニーズと私のもともとのニーズの折衷案として、一次細分区分を変更するためのダイアログをオープンする処理をコンテキストメニューから前面のボタンに置き換えたわけです。とりあえず友人はそれで満足してくれました。
ですが私もそんなに頻繁に山に行くことができるわけではありません。当然日常用途で JWeather を使用することがほとんどになります。すると、まぁ魔がさして、めったに開かないあるいは他の人はほとんど見ないと思われる天気図の表示、気象庁、北海道放送の専門天気図のページの表示をコンテキストメニューに追い遣ることになりました。
これが現在の JWeather の姿です。
JWeather はこのような遷移をたどっているわけですが、今でも私は JWeather でもっとも重要な機能は気象概況の表示と天気図の表示だと思っています。これだけは私的に譲れない一線なわけです。このふたつのボタンの位置も最初のバージョンから一切変更していません。
と、私のこだわりをくどくどと書いてきたわけですが、以下のような考え方もあるのです。
- 登山の計画をちゃんと立てる人には、そもそも天気図を表示する機能がコンテキストメニューに移動しても、さして不便さを感じることなく使ってもらえるんじゃないだろうか?
- 現在 1000 〜 1500 人のアクティブ・ユーザがいるわけですが、恐らくそれらの人の大半は日常用途で JWeather を使っていることは容易に推察される
- 山屋用に特化する方向に舵を切り直すことは、それらの人を切り捨ててしまうことにならないか?
これらのことを勘案すると山用と日常用の妥協点で落ちつかせるしかないか、という判断もあるわけです。
これまでの考察で Ray さんの 1) の要望は用途を問わず JWeather に必須であることが明確になったわけです。ですからインプリメントに向けて具体的に動き始めます。そのきっかけを与えてくださった Ray さんに感謝申し上げます。
これから UI を含めた再設計に入りますので、完成までかなりの時間を要するものと思われます。しばらくは現在の仕様で耐えていただきたくお願い申し上げます。
さて、拡張名をどうするかですが、Piro さんからアドバイスをいただいています。個人的には "Chart" という文字を入れたいところなのですが、そうすると天気図をいきなり開く必要性を感じます。
現時点での JWeather はいろんなことの妥協の産物なので、当面はこのままで行こうと思います。問題の先送り、と指摘されると辛いところではあります。
以下余談となります。
www.accuweather.com ですが、精査したわけではありませんが、ドロップダウンされるリストをざっと確認したところ、どうもアメダスの設置位置と重なるようです。ちなみに
気象庁の予報区分は以下のようになります。
・一次細分区分
天気予報を発表する区分 ex) 北海道上川地方
・二次細分区分
注意報・警報を発表する最小単位および暴風域に入る確率の区分 ex) 岐阜県飛騨北部
ちなみに JWeather は初めて私が作った拡張になります。2007 年の Software Design 4 月号の Piro さんや Gomita さん、level さんの記事がなければ JWeather 存在していません。また teramako さん、あさんのアドバイスがなければ、やはり重要な機能が欠落したままになっていたことでしょう。今さらですが Piro さん、Gomita さん、teramako さん、あさん、level さんに感謝申し上げます。Firefox 1.5 に最初のバージョンをプライベートリリースしていますので、本当に今さらで申し訳ありません。