誤解があるようなので正しい理解のためにこれまでのやりとりをふりかえります。
kiki さんが書きました:
もし新しい PC の Thunderbird のメッセージデータなども活かしたい場合は別の作業
が必要になりますので移行前に事前にバックアップコピーを取っておきましょう。
nikoringo さんが書きました:
今,安全のために,新しいノートの方のwin7側のメールデータのフォルダーも外付けハードディスクにバックアップしました。
もしよろしかったら,元のノートのメッセージと,新しいメッセージをいっしょにできるのであれば,
その手順もご教示くださいませ。
nikoringo さんが書きました:
あとは,昨日,新しくメッセージ受け取った新しいノートでのデータは,今,外付けに入れました。
これらを合併する方法があるのならば,お教えくださいませ。
上記を整理すると、
・旧 PC (Windows XP)の送受信データを新 PC (Windows 7)に移行することはできた。
・しかし先に新 PC (Windows 7)で送受信していたメッセージデータはバックアップを取っただ
けでそのままになっている。
・バックアップを取った新 PC (Windows 7)で送受信していたメッセージデータもぜひ移行した
後のメッセージデータに結合(合併)したい。
ということになるかと思います。
そこで
Re: メールデータの移動 投稿時間: 2009年11月25日(水) 01:16 でその方法の手順を
書いたわけです。
nikoringo さんが書きました:
外付けにコピーした,旧pcの該当するものを名前を変えてから,新pcの該当するところへ貼り付けたのですが,昔のメッセージの下には,新しいpcで昨日まで読み込んでいた数日分のものが出て来ませんでした。
まず旧 PC (Windows XP)のメッセージデータをコピーすることが間違っています。
旧 PC (Windows XP)のメッセージデータはすでに移行コピーが完了しているのではありませ
んか?
またコピーしたメッセージデータが新 PC (Windows 7)で移行するまでに送受信していた数日
分のメッセージデータになっているのであれば結合するためのコピーができていることになりま
す。
バックアップしたプロファイルフォルダの元データを差し違えていないか今一度確認してみてく
ださい。
ひょっとしたら結果オーライなのかも知れませんが・・・。
ここで誤解があってはいけないので今回のメッセージデータの結合(合併)について説明して
おきます。(少々言い訳っぽい内容で申し訳ありません・・・)
Thunderbird のメッセージデータはメッセージ毎に単一のファイルではありません。
フォルダ単位でひとつのファイルになっています。
つまり複数のメッセージであってもひとつのファイルとして記録・保管されています。
これを mbox 形式といいます。いわゆる絵巻物のようなスタイルになっていると思ってください。
新旧 PC のメッセージデータを結合する場合、この mbox 形式のファイルを結合する方法とし
ては別のアプリケーションツールを利用したりエディターで切り貼りするなどの別作業を用いる
方法もありますが、これはより高度な知識と経験を必要とするため意図して避けました。
ツールの機能の理解や操作方法、メッセージの文字コードなどの問題に対処しようとするとそ
れだけ多くの労力と時間が要求されてしまうからです。
また作業工程が多くなればなるほどミスも起こりやすくなります。
今回は Thunderbird 上で結合(合併)できる作業をおこなう方法のためあえて必要最低限の
ファイル操作作業のみを紹介しました。
新たな知識や経験が要求されることが少なく、別のツールなどを利用した作業を経由するより
安全におこなえる方法ともいえます。
ですので実際のメッセージデータの結合(合併)は移行コピーができた後に「後作業として」で
説明したとおり、Thunderbird 上で必要なメッセージの移動やコピーをおこなう必要があります。
別の言い方をすると Thunderbird にさえメッセージを移行できたら後は通常操作でできる範囲
のことなのでそのような方法を取ったわけです。
ここで誤解が生じる可能性があります。
ファイルのコピー作業さえすればそれでメッセージデータの結合が完了したものだと受け取られ
てしまうことです。
Thunderbird 上で移行したいメッセージを読み込むことが可能になれば実際の結合はメッセー
ジの「移動」や「コピー」操作でおこなえるのでそのための事前作業と説明した方が良かったか
も知れません。
私の紹介した方法で移行コピーができたら以下のような状態になります。
旧 PC (Windows XP)の「受信トレイ」のデータ >>>>> 「受信トレイ」
新 PC (Windows 7)の「受信トレイ」のデータ >>>>>> 「Old Inbox」 *(例)の名称の場合
「Old Inbox」の中のメッセージを「受信トレイ」の中に移動又はコピーすれば「受信トレイ」の中
は新旧 PC のメッセージに一本化されてメッセージデータの結合(合併)ができたことになりま
す。
この作業の後、 「Old Inbox」が不要であればフォルダごと削除すれば OK です。
「あ~、そういうことだったんですか」って言われてしまいそうですがメッセージデータの結合は
そんなに簡単なことではないんですよ。
特に Thunderbird のようにメッセージ毎の単一ファイル形式でない mbox 形式を採用してい
るメールソフトなどでは一般ユーザにはわかりにくいかも知れません。
加えてメッセージは添付ファイル付き、プレーンテキスト形式、HTML 形式、文字コードなどの
異なるものが混在しています。
Thunderbird の場合、メッセージデータを一括してできるだけ簡単に確実に扱って移行するに
は上記で書いた「新たな知識や経験が要求されることが少なく、別作業を経由するより安全に
おこなえる」という理由からもこの方法が適していると思われます。
「事前にやっておくとスムースに移行できる準備作業」を紹介しましたが、これを参考にされる
と結合作業は不要になりますのでお勧めです。
(まぁ、新たな PC で先に送受信をしてしまった後からだと意味がありませんが・・・)
【余談】
移行する際に他の便利な方法として Thunderbird 用の拡張機能 ImportExportTools を利
用する手もあります。
メッセージデータのインポート・エクスポート用の拡張機能です。
プロファイルまるごとのバックアップコピーもできます。
以下のトピックを参考にしてみてください。
[Thunderbird Addons] ImportExportTools 2.2 リリース
補足:現在の ImportExportTools の最新版バージョンは 2.3.1 です。
日本語のようにマルチバイト文字のあるパスに対応していなかったバグは修正されているよ
うです。
しかし、未知のバグも潜んでいるかも知れませんので当たり前ですが自己責任でご利用くだ
さい。